剣山~三嶺縦走 三好市でチャレンジ! バスで行く祖谷トレッキング パート2
2021.10.24
秘境祖谷の集落からさらに奥深く、三好市の境をかたちづくる剣山系。西日本第二の高峰剣山から尾根沿いに続く三嶺。三好市の誇る、この二つの山の縦走を含んだ2泊3日、約25Kmのコース。登山口まで公共交通機関を使い、山頂ヒュッテに宿泊しながらのトレッキングを紹介する。
「剣山~三嶺縦走」は6つのパートで紹介する。
パート3では、2日目、いよいよ剣山~三嶺の縦走をはじめる。
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「西島」から剣山頂上までの主要ルートは3つ。
登山道のところどころに大きな地図がある。
最短の登山道はリフト出口からすぐの「尾根道コース」。頂上まで約40分。
「剣道コース」は、勾配が「尾根道コース」よりはやや緩やかで、鳥居をくぐり、大剣神社を通り、頂上まで約60分。
三つめは「遊歩道コース」。「剣道コース」の鳥居の右隣の登山道を進む。とても緩やかで、遊歩道の名称のとおり、景色や植物を眺めながらのコース。頂上まで約80分。
取材の日はこの「遊歩道」コースを山頂まで進んだ。
剣山頂上までの『遊歩道コース』は比較的なだらかで、初心者にもおすすめ
遊歩道コースの登山道のはじめの方は傾斜がほとんどなく、穏やかに上り下り部分が少しあるのみだ。はじめは木々に囲まれた森を通り、しばらくすると祖谷を見下ろす眺めの良い場所に出る。
遊歩道コースを歩き始めてから約20~25分で登山道は二手に分かれ、左の急な登りを行くと、数分で剣山御神水がある。(さらに数分行くと大剣神社、そして剣道コースへつながっている。)
日本名水百選の『剣山御神水』で喉を潤す
御神水は、この上の大剣神社御神体の御塔石の下から湧き出ている。名水百選にも選ばれており、御神水目当ての観光客も多く訪れている。
この日は残念ながら水量があまりなかったため、来た道を、遊歩道コースの登山道まで戻った。そこから30mほどのところに別の勢いの良い湧き水があったため、ここで水の補給をした。
絶景スポットの『二度見展望所』から頂上へ
遊歩道コースは、山の側面沿いに美しい景色を眺めながらの穏やかな傾斜の登山道が続く。さらに20~25分後、また道が二手に分かれるので、左手へ。数メートル登ると「二度見展望所」に到着。左手に次郎岌(じろうきゅう)、右手に大剣神社の裏にそびえたつ御塔石を眺める。
「二度見展望所」から続く登山道の最後の部分は、急な登りになり、約20分。剣山頂上付近の木道にでる。ここから50mほど進むと、山頂1955mの三角点だ。
頂上からの景色を楽しんだ後は、木道に沿って剣山頂上ヒュッテに向かった。
三嶺縦走の基地としてもおすすめ 『剣山頂上ヒュッテ』に宿泊
剣山本宮宝蔵石神社の登山道を挟んだ反対側には、剣山頂上ヒュッテがある。ここからは東への眺めが遠くまでひろがり、この日は徳島市もはっきりと見えた。
剣山頂上ヒュッテは、4月28日~11月23日まで無休営業。個室とドミトリーがあり、寝袋を持参しない場合は寝具の貸し出しもある。
この剣山頂上ヒュッテは、当初は木造の山小屋で、奇しくも剣山の標高1955mと同じ数字の1955年に、新居熊太さんによってはじめられた。代々新居家が運営し、現在4代目もここで活躍している。
この日は、3代目の新居智次さんとお話しすることができた。
山を愛する人たちが快適に過ごせるようスタッフとともに心を配る
新居さんは、ヒュッテの歴史を大事そうに話してくれ、また壁に貼られた古い白黒の写真もあり、昔の山小屋の暮らしをありありと想像することができた。
新居さんは、来る方にはできるだけ快適に過ごしてもらえるよう、常に気を配られているそうだ。そして、若いスタッフがとても頼もしい、とも話してくれた。新しいメニューやインテリア、様々なアイデアを出しては実行してくれるそうだ。それを証明するかのように、ここの食事はヒュッテとしてはなかなかない、手の込んだもので、スタッフの方々もとてもフレンドリーに様々な説明をしてくれた。
あめごの唐揚げや半田そうめんなど地元の素材をふんだんに使った料理も楽しめる
通常、山小屋では、輸送が難しいため、カレーや麺類など、あまり手の込んでいないものが多い。しかしここでは、あめごの揚げ物、野菜のてんぷら、半田そうめんなど地元の素材を使った品が出てくる。こんにゃくや柚みそに至っては、ヒュッテの自家製というから驚きだ。
また、ランチメニューも豊富である。
標高1955mから望む夕焼けは奇跡の美しさ!夜には満天の星空に癒される
この日の夕焼けは、息をのむほど綺麗だった。こんな標高の高いところから夕陽を眺める機会はなかなかない。頂上の西側へ行って太陽が消えてしまうまで、遠くを眺め続けた。
そして、夕食後も真っ暗な中、ぜひ外へ出てみて欲しい。四国のこの場所はどこからも遠く、夜空に悪影響を及ぼす都市部の光が届かない。そのため、最も光害がない場所、日本で一番暗い場所と言われている。つまり、星が最もたくさん見える場所である。今まで見たことのない満天の星々を眺めよう。
「剣山~三嶺縦走」は6つのパートで紹介する。
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【こちらもおすすめ】
>>中級登山者向け天空の楽園「三嶺山~天狗塚縦走」 1泊2日四国の山々を渡る
◆関連リンク
剣山
https://miyoshi-tourism.jp/spot/tsurugisan/
剣山頂上ヒュッテ
https://tsurugisan-hutte.com/
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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