世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part3】

2023.03.27

特集

3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。
国内18チーム、海外6チームの計24チームが参加し、各チームが技術を発揮し競い合った競技会の様子をレポートします。

【前回までの記事はこちら】
>>世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part1】
>>世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part2】

GRIMP  JAPANとは?

救助活動の中でも、ロープや資器材を使用して行う救助方法を「ロープレスキュー」といいます。
ビルや工場、山岳・渓谷・崖・閉所、また鉄塔や洞窟など足場が不安定で高低差があるあらゆる場所において、ロープを使用したチームプレーでの救助活動で、より安全で確実に迅速に実施できる救助手法です。

どのような環境下でも、安全で的確に救助活動を行えるように国際水準の救命技術として、近年全国的に大きく注目されています。

ロープを使用した救助技術を競う国内最大規模の競技会が『GRIMP JAPAN』です。
日本全国のロープレスキューチームが一堂に会する競技会で、海外からも非常に多くの関心を集めています。

【告知記事】
>>ロープレスキューの技術を競うGRIMP JAPAN2023が徳島県三好市で行われます

競い合う事により、近年複雑化する都市災害や毎年のように発生している自然災害、山間部や河川での事故など国内での実災害における救助技術の向上と全国の標準化に繋げ、日本のロープレスキュー技術を国際標準なものにすることが目的です。
また、複雑多様化する災害に対して対応できる高度な救助技術を身に付け、地域住民の安心安全に貢献するという目的もあります。

国内外のロープレスキューが笑顔でたたえあった閉会式

全競技が終了した後なのに皆さんとても元気!緊張からの開放感がそうさせるのでしょう。
両日の競技中の動画が流れ、ドローンからの映像もあり会場内は「うおーっ」という歓声と共に拍手が起こりました。

順位の発表は24位からで、それぞれのチームリーダーが一言コメントをし、中には賑やかに盛り上げる人もいました。
香港のチームが通訳者を通して「消防の人手をあげて」と言うと会場内ほとんどの手が挙がり、「We are “rescue family”!」と笑顔でした。
台湾のチームのコメントの後に「イエーイ!」と声を上げていたのは香港のチームで、立場や住んでいる場所が違っても「ロープレスキュー」で繋がっているんだと確信した場面でした。

GRIMP JAPAN 2023 気になる順位は…

3位 Expels osocotto Andaluz(スペイン)

2位 JAPAN WEST 9PM(中四国)

1位 NR JAPAN(兵庫)

という結果となりました!

TRC(徳島県)は12位でした。TRCのチームリーダーは「大会を開催し関わってくれた全ての方に感謝したいと思います、本当に有り難うございます。全国はもちろん、徳島のロープレスキューの発展に大きな1歩となる、そしてしなければならないという思いを感じながらしっかりと活動を続けていきたいと思います」とコメントしました。

ロープレスキュー技術を高めあった大会 失敗からの学びを共有し確実な救助活動につなげる

優勝したNR JAPANのチームリーダーは壇上で

「このような素晴らしい大会を作ってくださったスタッフの方々、本当に有り難うございます。

今回このGRIMP JAPANを挑戦するに当り、私達は数多くのトレーニングを積んできました。1つ意識した事は『要救助者の為に』です。要救助者への声かけ、早期接触、早期救出といった所を重点的に訓練しました。そこが評価されたんだと思います。

ただ、全て成功したのではなく、数々の失敗をしました。それは私達だけではなくて皆様方も多くの失敗をしたと思います。
GRIMP JAPANは今日で終わる訳ではありません、多くの失敗を皆様方と共有しもっと発展していく事がGRIMP JAPANだと思います。

もっともっと日本のロープレスキュー、そして世界のロープレスキューを盛り上げていきましょう、有り難うございました」

と受賞の挨拶をしました。

林田氏は「これで終わりではありません、私達の進むべき道にゴールはありません。常に進化の途中で日々アップデートです。そして、日本のロープを使用した救助技術が次のステージに進められるように皆で高め合っていきましょう、お疲れ様でした」と大会を締めくくりました。

優勝チームNR JAPANメンバーのコメント

優勝したNR JAPANの皆さんにコメントを頂きました。
「本当に優勝嬉しかったです、NRというチームだけじゃなくてこれを西宮、西宮から兵庫、兵庫から全国に、全国から世界にと、ロープレスキューをもっともっと盛り上げていきたいなと思います」
「今日の活動、迅速で要救助者に対する保護が完璧だったと思います!」
「色んな課題がありましたけどこの結果に満足せず、一生懸命上を目指して頑張りたいと思います」
「奥さん、大会に出してくれてありがとー!!」
「最高です!!」
「次も頑張ります!」
「優勝できて良かったです、次も優勝します!」と、皆さん優勝の余韻に浸りながらも、既に先を見据えているようでした。

三好市の急峻な地形は実践の宝庫 GRIMP JAPAN代表理事林田 章宏氏のコメント

林田氏からは「三好市は実災害の中でもハードなロケーションで、それぞれの消防士が各地域の環境に合った救助活動をやっていかないといけないけれど、よりハードなロケーションの中で適切な救助活動をするというのはとても大事で、こうした急峻な地形の中で実践的な救助活動を経験できたっていうのは、出場した人たちにとって非常に大きな経験になったんじゃないかなと思います。

あと、世界中から来てくれた人たちがずっと『すごく綺麗で美しい景色』と喜んでくれた所も、この三好市で開催できた事、吉野川の隆起の中で出来た事が技術的にも、そして見た人達の心にも残り良かったと思っています。

僕達は場所を限定してやる訳じゃなく、本当にあらゆる場所が訓練環境なんです。そういう意味では、三好市にもまだまだたくさん経験を積める場所があるし、徳島県内にもたくさんあるし、もちろん日本中にもあるし、そういう所を市や町の人たちにも協力してもらって連携しながら、私達の活動を見てもらって知ってもらいたい、そして人々に安心感を与えたい。

そういった技術がどんどん広がっていってほしい。そういう意味でも、是非また三好市に戻ってきたいなと思っています」と三好市での開催を振り返ってくれました。

3日間、参加したチームの確かな技術を見せたGRIMP JAPANは、熱い盛り上がりと、お互いを高め合う大会でした。

GRIMP JAPAN

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(取材・写真・文 犬山涼)

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