徳島の暴れ川“吉野川”を拠点に世界大会へ挑戦!THE RIVER FACE【安永有里子選手】

2022.04.05

特集

世界からラフティングのアスリートが訪れる世界屈指のラフティングの聖地、三好市の吉野川。「THE RIVER FACE」は日本一の激流とも言われるここ吉野川に拠点を置く、レースラフティングの女子日本代表チームである。熱い想いと力強いストローク、冷静な分析でボートを躍動させる、安永有里子選手をご紹介!

安永有里子(やすながゆりこ)選手

所属:THE RIVER FACE
出身地:鳥取県米子市
生年月日:1992年2月22日
ニックネーム:ゆりちゃん、ゆりげらー
好きな食べ物:茶碗蒸し、グミ、かに、コーヒー、ビール
嫌いな食べ物:うなぎ、牡蠣、ピータン、キウイ
得意技:世界中の誰とでも友達になれる

ラフティングに心を掴まれ四国に移住。お客さんから世界女王へ

2014年、お客さんとして参加したラフティングツアーで波にもまれ、自然の中で楽しむ感覚を味わった。「これだ!!」と翌年にはラフティングガイドになるため四国へ移住、地元のアウトドアツアー会社に就職した。ラフティングガイドとして充実したシーズンを送った1年目の終わりに、レースラフティングチームTHE RIVER FACE(以下、リバーフェイス)の存在を知ることになる。

ラフトガイドをする安永選手、ボートの後ろで全体をコントロールする

見学の翌日からチームに加入、レースラフティング世界選手権4回出場、日本大会では世界一へ

練習の見学に行ったその瞬間、「これだ!!」自分の大好きなラフティングで世界一を目指せる。次の日から練習に参加、迷いはなかった。レースラフティング世界選手権大会4回出場、2017年世界選手権日本大会では世界一に輝いた。
チーム在籍7年目となる安永選手、今年の世界選手権ボスニアヘルツェゴビナ大会での世界一奪還を目指す。

2017年世界選手権日本大会、総合優勝を果たす

ど緊張!がチームを飛躍させる 3年ぶりの世界選手権でその力を発揮したい

レースラフティング(IRFルール)は4種目の合計ポイントで総合順位が決まる。世界選手権となるとチーム数、カテゴリー数も増え、今年は22か国65チームが集まる。約一週間の大会期間中は個人、チームでコンディションを整えながらレースに挑む。各種目で獲得できるポイント数が異なるため、最終種目で大逆転という展開も起こり得るが、上位に入るには安定してポイント数を獲得しなければならない。リバーフェイスの強みは、安定した漕力と連携のとれたボートコントロールだ。各メンバーは競技と仕事を両立しているためチームでの練習時間は限られてくる。現在は早朝5:30~7:00、ほぼ毎日チームで集まり練習を積んでいる。さらにチームの力を飛躍させるには何が必要か聞いてみた。

メンバーとのライン(通り道)共有に熱が入る

安永選手:「ど緊張!切羽詰まった状況!(笑)緊張をうまくカへ変換することが出来るのもこのチームの強みだと思います。緊張することでチームのコミュニケーションが増え、各メンバーが自分で考えようとする。私たちには緊張がとても大事なものと言えますね」
コロナウィルス感染症の影響で世界選手権は3年ぶりの開催となる。現在のメンバーで世界選手権に出場するのは初めてだ。しかし、ど緊張と切羽詰まった状況に飢えている彼女たちには好都合。自分たちを分析し、現状と向き合う。これもチームの強みなのかもしれない。

人と人との距離は詰めるものでも離すのでもない。相手との接し方は自ずと決まる。

安永選手のポジションは、ボートの動きを最初に作りだすバウマン(前で漕ぐ人)。バウマンは、ボートのリズム、レース運びのリズムを組み立てる。ボートをしっかり進めつつ、変化する川の流れの中で、ボートと人を感じながら全体の動きを先導しなければならない。常に瞬時の判断が求められ、ボートに対して最初の動きを作り出す重要なポジションだ。そこに楽しさ、面白さを感じていると安永選手は語る。バウマンが躍動するということはボート全体が躍動することを意味する。

ボート上で奮起する安永選手

奮起するメンバーの動きに触発され、ボート全体の動きに波及することはよくあること。しかし、選手ひとりで動かせる範囲には限界があり、メンバー同士でどれだけ意思統一ができているかが重要になる。そのためメンバー同士での意見衝突は日常であり、チームスポーツであるラフティングでは避けては通れない道だ。

安永選手:「人と何かに取り組むとき、物事を達成しようとするとき、本気度が高いほど意見の対立は必ず出てきます。「私が正しい」「いや、私が正しい」で進めていくと、平行線になっていく。相手の意見を飲み込んで、自分なりに噛み砕いて理解しようとする。そういうのが、人として大事なんじゃないかと思っています。人と人なので理解し難いことは本当にたくさん存在します。でも、対話して噛み砕いた小さな欠片から分かっていけば良い。そう思います」

世界一となった後もラフティングを続ける理由とは?強さの証明と一番へのこだわり

安永選手がチームに加入して2年目の2017年、世界選手権の舞台は日本。大会の最終種目はダウンリバー(タイムを競う長距離レース)、強豪ニュージーランドと競り合い1位でゴール。地元の応援を受けたリバーフェイスは活動拠点の吉野川で総合優勝、世界一となった。競技者として世界一という称号を手に入れた安永選手、競技を続ける理由を聞いた。

ライバルチームの動きを観察する安永選手(写真左)Australian Rafting Federationより

安永選手:「世界一になるのは最終的なゴールではなくて、なぜ自分は漕ぐのか?漕ぎ続けるのか?の答えを出すための手段だと思っています。何かを手に入れたいと思ったとき、いろいろとやってみる。その時間が、とても大切。毎日、黙々と練習を重ねていますが、勝つために必要不可欠な事こと。地味で地道な練習も楽しいんです。
世界一になった2017年以降は、日本のラフティングの強さを証明したいという想いもあります。あとはやっぱり勝負に勝つってすごく気持ちいい。フィジカル、メンタル、テクニック、大自然の中でのチームワーク、川の流れを読む力、コミュニケーション能力が必要な究極のチームスポーツ。自然と仲間と真っ向から向き合えるラフティング。本当にラフラィングが大好きなので、大好きなもので世界一になりたい。いろいろ言葉を並べましたが、競技を続ける理由は「一番が好き」それが全てかもしれないです」

練習日誌、SNS…書き続けることで強くなれる~言葉にする意味とは?

練習と仕事で忙しい日々を送る安永選手だが、個人のSNSでは練習の様子、日頃感じたこと、ラフティングへの想いなど積極的に発信している。チーム加入から欠かさず書いてきた練習日誌には、日々たくさん出てくる、良かったこと、嫌だったこと、もっとこうした方が良いことなどが綴られている。自分と向き合うことで生まれた言葉は、目標に対してどの位置にいるかの指標になっているという。

毎日書いているという練習日誌

安永選手:「言語化、思っていることを言葉にするのは、自分にとってとても難しいこと。苦手意識はありましたが、日々訓練、続けていくと相手にどうしたら伝えることが出来るのか、考えやすくなったような気がします。世界一になるために指を動かして書き続けました。きっと今後の人生もずっと指を動かします。
インスタグラムに関しては「幸せ」を感じたその瞬間をあげることが多いです。映える景色、人、もの、大好物です。いつもパシャパシャ撮っています(笑)
その中でも、ラフティングのことだったり、徳島の綺麗なところの写真だったりが多いと思います。こんなにおもしろいことしているよ!あるよ!こんな綺麗なところあるよ!の発信を心がけてはいます。1人でも多くの人が「WOW!」となったらこっちのものですね。ラフティングしたい!三好市に行ってみたい!が増えると嬉しいです」

世界選手権に向けて意気込み

安永選手:「世界で1番速い、コントロールのうまい女子チームになりたい!世界大会で1番になりたいです!!今は意味があると思ってやっていることが、数年後には全く価値のないものになっているかもしれない。点を作り続ければいつか線になることもある。それが明日なのか1年後なのか10年後なのかそれは分からないけど、今、力を注いでいることに対して無駄なことはないと思っています。世界選手権は本当に何が起こるか分からない。苦しくなってからが面白い。勝つか負けるかの心配よりどれだけの覚悟で迎えるか、今一度気を引き締めて、同じ夢を持ったチームメイトとボスニアでしっかり戦っていきたい」

チームメイトと共に世界一奪還を目指す(写真右)

未来の話~世界一のその先へ

とにかく一番が好きな安永選手、現在は世界一を目指すのに精いっぱいだが、少し未来の話を聞いてみた。幼少期からスポーツに親しみ様々なことを学び、教訓を得た。スポーツの持つ力と一緒にプレーする仲間がいることのすごさを感じている。スポーツを通じて人間が作られていくといっても過言ではないと語る。

安永選手:「ラフティングというスポーツを通して、国内外いろいろな川へ行き、たくさんの出会いがありました。世界選手権においては、ラフラィング大好き人間・漕ぐ事大好き人間たちが集まる場なので”漕ぐ”を通じて世界中に友だちが出来ました。技術の発展からか、顔と顔を合わせて話すということが少なくなっている中、もっと人を感じる時間が現代を生きる私たちに必要な気がします。個と社会の距離感があるこの時代、人と人との距離、人と社会の距離を縮ませてくれるものってやっぱりスポーツだと思うので、スポーツに親しむ社会を目指していきたいと思っています」

得意技は、世界中の誰とでも友達になれること

種まく人~三好市の良さ、吉野川、ラフティングの良さを世界に伝えたい

悩みはありますか?という質問に対して「悩みは無し。考え事はごまんとあります(笑)」と答えてくれた安永選手。

安永選手:「三好市の良さ、吉野川、ラフティングの良さをもっともっと発信していきたい。中から外、反対に外から中への発信どちらも実現したい。三好市、日本に限らず、いろいろな場所で、ラフティングのおもしろさ、レースの楽しさを伝えていき、選手をしつつも競技の発展に力を入れたいです。なんでも挑戦して、種をまく人がいないところで、種をまける人になりたい!と思っています。もちろん楽しさは忘れずに」

もっと競技人口を増やしたい、楽しさを伝えるにはどうすればいいのか、応援したくなるようなチームを作りたい、もっと地域に根付く競技にしたいなどなど、野望と欲望は止まらないようだった。人を惹きつける安永選手、ラフティングを通して出来た世界中の仲間に応援されながら野望をひとつずつ叶えていくはずだ。そして、最後にこんな言葉を残してくれた。

大好きなラフティングがあって
大好きな仲間、チームがある
大好きな吉野川もここにある
周りには気づかれないほどちっぽけなこと
私たちにとっては壮大なチャレンジ
出来る、やる、世界女王奪還

 

The River Face
Facebook:https://www.facebook.com/race.raftingTHERIVERFACE
Instagram:https://www.instagram.com

安永有里子選手 Instagram:https://www.instagram.com/yurichangram/

 

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