おとろしや!たくさんの妖怪伝説の残る徳島県三好市山城町
2021.08.19
徳島県の西部、三好市山城町には児啼爺(コナキジジイ)やエンコ・ヒダルガミ等々たくさんの妖怪伝説が残る。実際の妖怪の姿はなかなか見ることができないが、山城町では様々な所で妖怪の像を見ることができる。今回は山城町の妖怪スポットを紹介する。
世界妖怪協会(初代会長水木しげる)から怪遺産として認定
三好市山城町は、たくさんの妖怪伝説が残っている等の理由から、世界妖怪協会から2008年に「後世に遺すべき怪遺産」として認定されている。
妖怪ロードに並ぶ妖怪たち
その妖怪たちに出会える場所が藤川谷沿いの妖怪ロードだ。ゲゲゲの鬼太郎に登場する児啼爺(コナキジジイ)が石像として立っている。
他にも妖怪ロードでは、木材で作成した大きな妖怪の像があちこちで見ることができる。野鹿池山の龍神と乙姫伝説の龍は迫力ある姿だ。
川で死んだ人の怨霊と伝わるカワミサキ。子供たちが川で遊びすぎるとカワミサキが姿を現し危険を知らせたのだろうか。
JR大歩危駅の駅長?
JR大歩危駅では妖怪の児啼爺がお客さんの出迎えと見送りを一年中休まず行っている。風雪にさらされ年季が入った様子がリアルだ。
妖怪のことを詳しく知るには道の駅大歩危にある”妖怪屋敷”へ
道の駅大歩危では、様々な妖怪の展示を見ることができ記念撮影スポットもある。チケットを購入するとさらにたくさんの妖怪と出会えるようになっている。山城に伝わる妖怪伝説を後世に遺すため地元の方たちが制作した妖怪屋敷は素朴で懐かしい雰囲気だ。
ところで、なぜ山城町には妖怪伝説が多く残るのだろうか。昔々、電気や車といった近代的なものが無い時代、山の崖や川の深い淵・夜の暗闇などは危険な場所が多く存在し、大人たちは子どもに危険な場所には近づかないよう怖い妖怪がいると語り継いできたのであろう。つまり妖怪とは子どもたちを守る親の愛情から生まれてきたのだ。特に山城町は急峻な地形であり、山や川には危険な場所も多く、また土佐や伊予の国境も近く、昔からどこの地域でも境目には盗賊や人攫いが多く知らない人が訪れてくることもあったのだろう。
妖怪を詳しく知るには「妖怪村伝説 おとろしや」
”四国の秘境 山城・大歩危妖怪村”が発行している”妖怪村伝説 おとろしや”では、カラフルなイラスト入りで山城町に伝わる妖怪伝説が詳しく掲載されている(総頁数76ページ)。妖怪伝説を読んでから妖怪を見ると、この妖怪が活躍した時代をより知ることができる。【道の駅大歩危で販売中】
妖怪の暮らす場所を霧が覆う八合霧
藤川谷沿いからヤマジチの在所方面へ上がりさらに上へと上がっていくと、雲海の見える場所がある。
このあたりの吉野川の川霧のことを八合霧と呼ぶ。名前の由来でもある山の八合目あたりまでが川霧にすっぽりと覆われることが、春と秋には多くある。ふと妖怪の暮らす地域の朝の訪れを遅らせようとしているのかと思ったりする。そんな妖怪伝説の残るロマンある地域だ。
まとめと妖怪関連情報
三好市山城町には多くの妖怪伝説が残り、それが実像となってみられる。また妖怪について詳しく知ることができる”妖怪屋敷”があったり本なども販売されている。是非、妖怪に会いに訪れてみてほしい。
世界妖怪会議
日本の怪遺産には他に、岩手県遠野市・鳥取県境港市が認定されており、3県が参加した「世界妖怪会議」も開催された。2021年8月7日に行われた会議には、徳島県からは後藤田副知事が児啼爺とともにオンラインで参加した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000009008.000007006.html
日立 世界ふしぎ発見!|TBSテレビ
「加藤諒が行く 妖怪大特集!」
8月21日21時〜
https://www.tbs.co.jp/f-hakken/
四国の秘境 山城・大歩危妖怪村
https://oobokeyoukaimura.localinfo.jp/
(文、写真:白うさぎ)
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