三嶺山~天狗塚縦走 パート2 三嶺山頂へ
2022.06.27
徳島県三好市、秘境ともよばれる祖谷地方は、西日本でも最も高い山々に囲まれ、登山やキャンプに人気のエリア。この壮大な眺めに満ちた尾根道を歩き、静寂に包まれて山小屋に泊まる。このシリーズでは、公共バスでアクセスできる、1泊2日中級トレッキングコースについて紹介する。
【前回の記事はこちら】
三嶺山~天狗塚縦走 パート1 1泊2日四国の山々を渡る
徳島県三好市名頃登山口から登る三嶺山 標高差1kmのハードな登り
名頃集落、登山口は標高915m、三嶺山頂は1894m。その標高差は1000mちかくにもなる。
登山口から頂上まで3~3.5時間ほどかかる。
登山道のはじめの部分はかなり急だが、登山道の位置を示すピンクのマークが所々の木々につけられており、このテープを目印に進むと迷うことはない。
約10~15分後、道は分かれているが、広い右方向へは行かず、左の狭い道をピンクのマーカーを目印に進む。
三嶺山の緑に包まれて
この登山のはじめの部分では急勾配が続くが、奥に入っていくほどに山は鳥のさえずりや虫の声で満ちてくる。
この時は週の半ばで、駐車場には登山客の車が数台あったが、バスで来たのは筆者だけだった。はじめの2時間で会ったのは二人の登山者だけ。山の静けさを独り占めしていた。
登山道は出発点から約40~50分で作業用林道を横断。ここは休憩に最適なスポットで、標識もあった。
ここからの道は、少し階段を上がり、また森の中に入るがこの部分はそれほど急ではない。歩いていくとその人の気配で驚いたのか、ほんの30m先を走っていく鹿が見えた。
45分ほど歩くと、ダケモミの丘。ダケモミの生い茂るエリアで休憩する。木々のある場所がネットで囲まれているが、これは鹿よけだ。鹿が樹皮を食べて木々を枯らしてしまうため、この中に入らない様にネットが張りめぐらされている。
広大な眺め 急登だが笹に覆われた美しい稜線が楽しめる
登山道はここから少し下がったが、すぐにまた急な上りとなった。登り続けて30分後、ようやく隣接する山々を見渡せる開けたスポットに着いた。
そしてさらに30分、急勾配が続き、足元は岩が多くなってきたが、ここで樹木限界になった。
もう、視界を遮る木々はなく、明日の最終の下山まで、この尾根からのパノラマの絶景が続く。
木々のあるエリアをでてから数分で、湧き水を示す看板もあった。水場まで約60mほど、そこで水を補充。
そこからは、垂直に近い上り、ロープも設置されている。
頂上への上り、最後の部分は、一歩一歩がとても険しい階段。ここから小さな池の正面にある分岐点まできつい上り約10分。
三嶺山頂はさらにここから左手へ10分上るが、初めに右へ、三嶺ヒュッテを見に行くことにした。
オプション 三嶺ヒュッテで泊り
パート1で紹介した様に、もし2番目のバスで名頃に到着した場合、この三嶺ヒュッテでの泊りをおすすめする。
池のある三嶺ヒュッテ周辺もとても美しく、周辺を歩くだけであらゆる方向の景色を眺めることができる。
ヒュッテは無人の山小屋で電気も水もないため、避難小屋宿泊と同様に、寝袋、食料、調理用品等全てが必要となる。三嶺登山口から登ってくる場合は、途中の水場で水をできるだけ補給してきた方が、後で戻らなくてもすむ。
トイレはヒュッテ自体の建物と別に設置されている。
ヒュッテは、床が2階になっており、40~50人の登山客が泊まることができる広いスペースがある。
予約は不要だが、先着順となり、外のテントのスペースは残念ながらわずかだ。
※他の場所でのキャンプは禁止されている。
三嶺山頂!徳島県から高知県に広がる四国山地の大パノラマを堪能
池の周りを少し歩き、数人の登山客とすれ違った。
そして、三嶺山の頂上へ向かう。数分後には、山頂、360度のパノラマの眺めの中にいた。
標高差1000mほどの急斜面を登って来た後にある1894mからの眺めでリフレッシュ。
ここから東側の稜線は次郎岌、剣山へと続いている。
西側へは、隣の西熊山へ続く尾根があり、そのさらに遠くには明日の目的地、特徴あるピラミッド型の天狗塚の山頂が見える。
パート3では、西熊山とお亀岩避難小屋を紹介する。
【次の記事はこちら】
>>三嶺山~天狗塚縦走 パート3 西熊山~お亀岩避難小屋
追加情報はこちら
三嶺山ルート&トレッキングマップ
https://www.iyatime.com/mt-miune
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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剣山
標高(1,955m)神秘の雲海に、紀州や瀬戸内海、足摺岬までも見渡せる見事な眺望を誇る四国の尾根。安徳天皇の剣を山中に隠したという伝説からこの名が付いたとされ、山岳信仰の霊山として広く知られている。
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奥祖谷二重かずら橋
ーお知らせー 奥祖谷二重かずら橋の【野猿-やえん】は故障中で現在使用中止です。
ご迷惑をおかけいたしますがご協力の程お願いいたします。
秘境の雰囲気が漂う美しい景観に囲まれたかずら橋。平家一族が剣山の「平家の馬場」に通うために架けられたといわれる橋で、男橋(おばし)と女橋(めばし)の二本あり、夫婦橋(めおとばし)とも呼ばれる。近くにはロープを引きながら渓流を渡ることができる「野猿」(やえん)もあり奥祖谷を代表する観光スポットです。 -
塩塚高原キャンプ場
スカイコースターや四輪バギーランド、手作りバームクーヘン作り、勾玉(まがたま)作りなど
大人も子供も楽しめる施設やイベントが盛り沢山です。
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