日本三大秘境のまち

徳島県三好市山城、国道32号線沿いの観光拠点施設RiverStation West-West。その一角で静かに佇む、茅葺き古民家レストラン「祖谷そば　もみじ亭」。 名物祖谷そばをはじめとした祖谷の味、そして、もみじ亭にまつわる地元の方々の思いなどを紹介する。

【前回までの記事はこちら】
祖谷そば　もみじ亭　パート1　|　故郷の伝統と味への情熱
祖谷そば　もみじ亭　パート2　|　故郷祖谷の味と家庭の味 であたたかいおもてなし

四国の真ん中、築200年の伝統ある古民家でいただく郷土料理

築200年を誇る祖谷の古民家「もみじ亭」。茅葺きの建物にふさわしく、ここでは祖谷そばや、郷土料理などが提供されている。

しかし、「お蕎麦を食べよう。」と軽い気持ちで訪れた人も一歩店内に入ると驚くに違いない。

囲炉裏を使っていた時代からの、煤で黒くなった柱や梁。見上げると良く手入れされた茅葺き屋根の内側があり、それらがこの建物の歴史を物語っているからだ。

山の恵みにあふれたインテリア 三好市の中でも特に森林が豊富な大歩危・祖谷の自然を生かす

全てのテーブルは厚い一枚板。楠、とがさわら、やなせ杉などの贅沢な木を大胆に使っている。ここまで厚い一枚板のテーブルも珍しい。

脚の部分も一つ一つ、合わせてカスタムメイド。内装は、地元の方々や専門家からのいろいろな意見を取り入れたそうだ。

和紙の柔らかい灯り　地元の作家たちの手による阿波和紙などを使った照明

店内には、和紙を使用した照明がたくさん取り付けられており、これは一つ一つが手作りだ。祖谷の芸術家二名によるもので、その作品の違いも楽しめる。

どちらの作家とも、祖谷の自然の材料や阿波和紙などを使用しており、古民家に良く合い、建物の魅力をさらに引き出している。

なかには、和紙の原料ミツマタの樹皮と、漉かれた紙との比較ができる作品もある。祖谷がミツマタ栽培の地でもあった歴史も垣間見えて興味深い。

季節の香りと名勝・大歩危峡の眺め　三好の大自然を感じながら美味しいひと時を楽しめる

また、あちこちに季節の植物や花も生けられている。これは、もみじ亭開店時から常に、スタッフの方が自宅から持ってきて生けられているそうだ。三好を全て楽しんで欲しいという地元の人々の心遣い。

そして、もみじ亭修復の時にこだわったのが、大歩危峡を見下ろせる大きな窓だそうだ。すぐ眼下に流れているのは、美しいエメラルドグリーン色の吉野川だ。

大歩危峡を目の前に、古民家でいただく郷土料理。もみじ亭に寄って祖谷そばと共に贅沢な時間を過ごしてみるのはいかがだろうか。

祖谷そば　もみじ亭

営業時間　11：00〜17：00　(時期により11：00〜15：00)
定休日　冬季など季節により水曜日休
TEL 0883-84-1117
※詳細はホームページよりご確認ください。
URL：http://west-west.com/

（取材・文・写真： ショーン ラムジー）