秘境祖谷の温かいおもてなし宿「祖谷観光旅館」パート2|家族で営む旅館 2拠点活動の次世代
2023.03.18
秘境、祖谷のかずら橋。四国でも観光で訪れたい場所のベスト3に入る名所。
この名所に程近い、昔ながらの宿「祖谷観光旅館」をご家族の祖谷の暮らしや、若い世代の2拠点生活と共に紹介する。
【前回の記事はこちら】
>>秘境祖谷の温かいおもてなし宿「祖谷観光旅館」パート1|かずら橋へ歩いて数分 昔ながらの宿
祖谷生まれ 祖谷育ち かずら橋が遊び場だった祖谷の次世代
出口 和也さんは、祖谷観光旅館を引き継ぐ3代目だ。
現在は母親の福子さんやお手伝いをしてくれる地元の方達と、この旅館を運営している。
和也さんが生まれ育ったのはもちろん祖谷で、かずら橋は子供の頃の遊び場だったそう。
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和也さんが旅館を継ぐ決心をしたことに、福子さんは「有り難い、自分の代で旅館はもう無理と思っていた」と、とても嬉しそうに話してくれる。
観光シーズンは三好で働く まちと山の二拠点生活
和也さんは現在、徳島市と祖谷の2拠点で暮らしている。
2年ほど前から時々祖谷へ来て手伝っていたが、お子さんが小学校に入ったタイミングで本格的な2拠点生活に移った。
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観光シーズンの間は祖谷で1ヶ月の内3週間ほど滞在して旅館の仕事にあたり、シーズン中に徳島市内へ帰るのはお子さん達の行事に合わせて。
観光客の少ない冬季は、家族で徳島市内で過ごすことがほとんどだそうだ。
和也さんは「バランスを取って子供達と妻、そして母、どちらの家族にとっても良い選択でありたい」と語ってくれた。
都会と地方のいいとこどり 子供達へも良い影響
和也さんの家族は徳島市内での生活が中心だが、週末などに訪れる祖谷はお子さん達にとっても奥さんにとっても、様々なことが体験できる良い環境だそうだ。
和也さんは「子供達に街の暮らしだけではなく、その反対の秘境の自然に囲まれた地域でも暮らして、両方の良いところを体験しながら育って欲しい」と話してくれた。
現在、様々な所で2拠点生活をする人、目指す人が増えている中、和也さんから伺うお話は大変興味深い。
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50年前の祖谷
和也さんの母親である福子さんは、昭和48年(1973年)にご結婚され大阪から祖谷へ来られたそうだ。
大都会から秘境へ、その違いに大層驚かれたそう。
祖谷へ来るにはまだ祖谷街道しかない頃のことで、大変不便であったらしい。
祖谷から池田へのバスは常に満員で、空いているドアのそばに掴まっている車掌さんが祖谷街道の曲がりくねった道で振り落とされることも何度かあるほどの険しい道だったそうだ。
祖谷のお母さん 心も体も癒されるリピーターの多い宿
祖谷観光旅館一筋で働かれてきた福子さんの人柄に惹かれ、この宿に何度も訪れるリピーターも多い。
訪れる方は「母ちゃんに会いに来たよ」「げんきでおった?」と、親戚に会いに来るかのようにこの宿を訪れるそうだ。
また、和也さんもこの日宿泊のお客さんと、友人の様に楽しそうに会話しているのも印象的だった。
パート3では、祖谷観光旅館で提供される祖谷づくしの料理を紹介する。
【次の記事はこちら】
秘境祖谷の温かいおもてなし「祖谷観光旅館」パート3|親子で腕をふるう祖谷の味
【詳細情報】
祖谷観光旅館
https://miyoshi-city.jp/spot/祖谷観光旅館
〒778-010 徳島県三好市西祖谷山村善徳161
TEL:0883-87-2125
【HP】【Facebook】【Instagram】
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)
平家一族の哀話を秘める、秘境“祖谷”にあるかずら橋。シラクチカズラ(重さ約6トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14m。 昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設であった。3年毎に架替えが行われる。(国指定重要有形民俗文化財)
◎かずら橋ライトアップ
毎日19:00~21:30の間かずら橋をライトアップします(渡橋はできません)。
闇夜の中に照らされた「かずら橋」が幻想的です。
◎平家伝説の残る「琵琶の滝」がすぐそばです。
祖谷のかずら橋を渡ってすぐに左に50mくらい行くと、落差約50mの滝が現れます。
◎川遊び:「琵琶の滝」を更に50mくらい行くと遊歩道があり、そこから川辺に下りて遊べます。 -
神代踊り
神代踊りは、1100年以上昔の雨乞いがその起源とされ、各地で伝えられてきた厄除けや虫送りの儀式とは異なるものである。
あでやかで勇壮な踊りは、昭和29年(1954年)に国の重要無形民俗文化財に指定されている。
令和4年(2022年)にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。 -
ボンネットバス(西祖谷コース)
祖谷街道を昔懐かしいボンネットバスが走る。
JR阿波池田駅前から大歩危、かずら橋、祖谷渓等を約5時間45分かけて巡る定期観光バス。平家伝説や歴史を解説するガイドも付いておりのんびり秘境を満喫できる。要予約。7月8月9月はボンネットバスではなく貸し切りバスにて運行。途中乗車・下車については要相談。
◎乗車日の3ヶ月前から予約可能。ご予約はお電話又は、メールにて受付。
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