小歩危再発見 パート1 徳島県三好市の景勝地

2022.12.17

特集

四国のまんなか、大歩危小歩危。吉野川の激流がつくった美しい渓谷だ。
この特集では、そのうちの小歩危エリア、パノラマの眺めのビュースポットやこの地域を発展させた吊り橋、世界クラスの急流ラフティングなどを紹介する。

四国 吉野川の激流が刻んだ峡谷 大歩危・小歩危

四国中央部の山脈から流れる吉野川。この川が気の遠くなるような長い歳月をかけてこの渓谷を作り出した。
全長約8kmの大歩危小歩危渓谷は、ごつごつとした岩、すぐ目の前に迫る山々、白い波を立てる激流域とゆったりと流れるエメラルドグリーンのエリア、とドラマチックな景色が広がっている。

渓谷は、吉野川の上流側が大歩危、下流側が小歩危。
特急列車の停まる駅や観光施設などが多いため、大歩危側を訪れる人々が多い。

しかし、下流側の小歩危も圧巻の景色が広がるだけではなく、地域振興に貢献した歴史ある橋などの寄り道スポットがある他、世界クラスのラフティングを楽しむことが出来る。
「大歩危小歩危」は国の名勝に指定されている。

歩くと危ない?ユニークな名前の由来

「大歩危 小歩危」、現代の私達が聞いたら少しユニークな名称。
これは漢字から「大股で歩くと危ない」「小さな歩幅で歩いても危ない」そんな場所だったからとも言われているが、古語では「ホケ(ホキ)」は山の中や川の流れがある断崖の事を意味し、それが由来となっているようだ。
昔はここを通るのは大変だったろうことがよく伝わってくる名称だ。

今日では、地域の開発と共に渓谷へのアクセスははるかに簡単になった。

最も一般的なのは、吉野川に沿った国道32号線を経由する方法。
国道32号線は、北は高松市、南は高知市を結ぶ四国を横断する大動脈。その真ん中に「大歩危小歩危」がある。

三好市池田から 小歩危へのアクセス

「小歩危峡」は全長約5km、三好市池田から国道32号線を南下するのが一般的だ。
池田から10分ほどで三好市山城町に入ると、周囲の山々が道路や川のすぐそばまで迫ってくるようになる。
山城の中心、川口エリアを過ぎて数分で道路脇に小歩危峡の看板があるが、看板より前から断崖の渓谷の美しさがすでに始まっている。

ここから南へ向かって小歩危の景色の中を進む。いたるところが険しく美しい自然であふれている。
小歩危エリアを進むと、国道32号線は観光拠点施設WestWestの直前でそのまま大歩危エリアに入ることになる。

公共バスもこのルートを通っており、池田から「川口」「大歩危」「祖谷」を結んでいる。小歩危エリア内にもいくつかバス停がある。

JR土讃線もほぼ国道32号線と同じルートを辿る。山々の中を走り、渓谷を見下ろす車窓からの眺めはここでしか体験できないもの。

渓谷美を背景に 絶景鉄道写真スポットとしても有名

また、ちょうど小歩危と大歩危の境目に近い場所では、吉野川にかかる「第二吉野川橋梁」があり、渓谷を背景にしたこの橋を通る列車の撮影に訪れる鉄道ファンもいる。

また、トンネルから出てきた時の眺めも秘境にいる雰囲気を盛り上げる。

小歩危エリア内の唯一の鉄道駅は、1935年に開通した土讃線の「小歩危駅」。
この駅には普通列車の停車があるのみで、特急は停車しないので注意。(特急の停車駅は、北は阿波池田駅、南は大歩危駅。そこからバスで小歩危まで来ることも出来る。)

美しい景色と共にゆっくりと時間を過ごす ウォーキングもおすすめ

この渓谷の息をのむような景色を堪能するのにおすすめなのが、「小歩危ウォーク」だ。
昔とは変わり、大歩危小歩危の吉野川沿いには歩行者専用道路が整備され、安全に歩きながら眺めを楽しむことが出来る。

歩行者専用道路内には、様々なビュースポットがある。
列車やバスで「小歩危」まで行き、そこから「大歩危駅」周辺まで歩くこともできる。

パート2、3では、小歩危峡で立ち寄れる絶景スポットやアクティビティを紹介する。

【次回の記事はこちら】
>>小歩危再発見 パート2 吉野川にかかる橋からの息をのむ眺め

【関連記事】
>>大地の力が眠る徳島県! 三好市のパワースポットを巡る旅 Part2|大歩危峡遊覧船で三好の自然を堪能

【詳細情報】
大歩危・小歩危峡
https://miyoshi-city.jp/spot/大歩危峡・小歩危峡

三好市観光公式サイト 大歩危祖谷ナビ
https://miyoshi-tourism.jp/spot/oobokekyo-kobokekyo/

(取材・文: ショーン ラムジー、写真:大歩危祖谷ナビ & ショーン ラムジー)

オススメ観光情報

  • RiverStation West-West

    大歩危・祖谷の玄関口にある複合観光施設。古民家を改築した祖谷そば店や本格徳島らーめん店、おみやげ店、アウトドアショップ、コンビニの5店舗が営業。川まで歩いて降りられるスロープや展望台、ウッドデッキ、BBQハウス、ドッグランなどの施設も充実。ラフティング小歩危コースの出発地点でもある。

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  • 小歩危駅

    隣の大歩危駅と共に「おおぼけ・こぼけ」と呼び親しまれています。
    「歩危」とは山腹や渓流に臨んだ断崖を意味する古語で、小歩危駅はまさしく吉野川左岸を切り開いた高台に位置しています。
    青春18きっぷポスター(2017夏)選出「「歩くと危ない」という名は、山が険しいからでしょうか、渓谷に見とれてしまうでしょうか。」

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  • 吉野川第二橋梁

    吉野川(大歩危)に架かる橋で、3両編成の列車がすっぽり収まり、国道32号線にある大歩危洞門の脇にある歩道から見えます。
    数ある土讃線の撮影地の中でも最も有名で、近くにあるホテル「大歩危温泉 サンリバー大歩危」には鉄道ファン垂涎の鉄道部屋客室「ムーンライトおおぼけ」があり、旧国鉄客車の座席の窓からは吉野川第二橋梁がよく見えます。

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