地域おこしの先輩 市岡日出夫さん パート2 「てんご新聞25周年」独立!活採祖谷村
2022.06.06
現在の田舎暮らしブーム、そして各自治体が移住促進として様々な取り組みを行っている中、すでに30年前に秘境にUターン、地域おこし活動をしてきた人がいる。今回は、三好市東祖谷の市岡日出夫さんを紹介する。
【前回の記事はこちら】
地域おこしの先輩 市岡日出夫さん パート1 都会から秘境へUターン
祖谷の”今”を知る「てんご新聞」
「てんご」とは祖谷弁で「おせっかい」のこと。つまり「おせっかい新聞」。
そんなユニークな名前を持った新聞は、カラーで手書き、祖谷の様々な自然の写真が入っている。旬の祖谷を知ることのできる唯一の新聞だ。祖谷に来た人は、この新聞が様々な場所に貼られているのを目にするだろう。
はじまりは村おこし「てんごの会」手書きの会報誌から
祖谷の新聞「てんご新聞」。これは、1993年12月に祖谷へ帰って来た市岡さんが、その3年後に発行し始めた。
はじまりは、村おこしグループの「てんごの会」。生まれ故郷で自分たちが出来る事を何かしようと発足。自然体験教室を開いたり、地域の美化活動をおこなったりした。
この会の会報として、てんご新聞が発行された。はじめは、発行部数は30ほど。特に決まりもなかったのだが、市岡さんは部数を増やしながら、毎月新聞を書き上げ「てんご新聞」を何年も何年も発行し続けた。
てんご新聞 25年続く秘境からの新聞 祝!300号!
そうこうしているうちに、てんご新聞は、今年で25周年。2022年6月で300号となる息の長い新聞となった。さらに、現在ではなんと300部ほどと発行部数も大幅に増えている。
また読者は祖谷や三好市にとどまらず、日本全国の北海道から沖縄に始まり更には海外在住の方までいるという。
しかし、この手書きの秘境の新聞がどうやってそんなに広まったのだろうか?
平成の大合併 東祖谷山村がなくなる!「活彩祖谷村」独立と共に注目を浴びた新聞
それは平成の大合併の時のこと。
その当時「東祖谷山村」であった奥祖谷は平成18年に三好市として他の町や村と合併することになったが、せっかくの「山村」が消えてしまうことになる。
市岡さんを中心とし、村を残すためにも独立村をつくろうと「活彩祖谷村」という団体が作られた。もちろん、推薦と投票で市岡さんが村長に選ばれたのは言うまでもない。
この小さな山村の独立の話題が全国紙で取り上げられると、新聞を読んで興味をもった方々が、日本各地から問い合わせてきたという。
こうして、平成の大合併の時に「てんご新聞」もその名を全国に広めることになった。
秘境・祖谷からの手紙 三好市内にとどまらず海外にも愛読者がいるてんご新聞
市岡さんはこの新聞を下書きもなしに「気負わず」その時思ったことなどを2時間ぐらいかけて書いているそうだ。写真も市岡さんが日々祖谷の山々を歩いて撮ったもの。地元の人しか知らないような野草の貴重な写真もある。
記事は祖谷の季節や行事に始まり住民の活躍あるいはさまざまな疑問などを、まるで秘境に住む古くからの友人から近況報告を受けているような、こころ温まる新聞だ。
市岡さんは「多分間違いもあるよ。」と笑いながら話す。「約束もしていないし、決まりもないけれど、今はやめられない。郵送用に切手などをたくさん送ってくれる人もいる。」と新聞を楽しみにしている人達の事を話してくれた。
パート3では、市岡さんのつくった山の図書館を紹介する。
【次の記事はこちら】
地域おこしの先輩 市岡日出夫さん パート3 山の図書館ヤマガラ文庫
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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奥祖谷二重かずら橋
ーお知らせー 奥祖谷二重かずら橋の【野猿-やえん】は故障中で現在使用中止です。
ご迷惑をおかけいたしますがご協力の程お願いいたします。
秘境の雰囲気が漂う美しい景観に囲まれたかずら橋。平家一族が剣山の「平家の馬場」に通うために架けられたといわれる橋で、男橋(おばし)と女橋(めばし)の二本あり、夫婦橋(めおとばし)とも呼ばれる。近くにはロープを引きながら渓流を渡ることができる「野猿」(やえん)もあり奥祖谷を代表する観光スポットです。 -
農家民宿祖谷八景
1日1組(最大8名まで可能)限定で、築350年の古民家宿に宿泊出来ます。
また囲炉裏のある居間でゆったりくつろぐ事が出来、贅沢なひと時を体験頂けます。 -
東祖谷歴史民俗資料館
"平家落人の里”として伝説が今も息づく祖谷地方。平清盛が生きた時代や源平合戦など正史を取り上げながら、『平家物語』と「祖谷平家伝説」の関わりを紹介し、伝説ゆかりの場所を写真パネル等で取り上げています。
また、東祖谷は深奥の秘境であり、全ての始まりの地でもあったことから、独自の文化・風習・慣習が育まれました。資料館では、四季を通じた東祖谷の姿、時代の変化に伴う日常道具の変遷、生活を潤す芸術品など、村民が大切に残した時代の形をご覧ください。
2階には500名収容のホールもかねそなえています。
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