3年ぶりに開催された密厳寺での不動の火渡りに参加してきました!

2022.06.03

特集

さまざまな感染症・世界情勢…世の不安が少しでも取り除かれる事を願い、徳島県三好市池田町の密厳寺にて柴燈護摩供が行われました。

令和4年5月15日、三好市池田町西山佐古にある密厳寺で不動の火渡りが行われました。密厳寺は弘法大師が一夜にして建立されたと伝わる寺院で、本尊を聖観音菩薩とし、脇仏不動明王は大師の爪彫りの作として古くから信仰の拠り所となっています。

毎年5月に不動の火渡りは行われていましたが、さまざまな影響で中止を余儀なくされ、実に3年ぶりの実施となりました。関係者の方々は「今年は例え無観客でも開催したい」との強い思いで準備をなさってこられたそうです。

四国最大級の不動明王のもと、人々の願いや祈りが1つにまとまる儀式。

まず12時より、爪彫り不動の御前立ちとして製作された四国最大級の大不動明王と、矜迦羅童子、制叱迦童子の不動三尊が安置されている八角大不動堂にて六波羅蜜修行護摩が行われました。護摩壇に行者が座り、伴僧が付いて太鼓を叩き、後ろに信者が座り般若心経やご真言が唱えられます。そちらで焚かれた火を柴燈大護摩供でも使います。

13時頃、柴燈護摩供が始まりました。立派な袈裟を着ておられる導師と、山伏の恰好をなさった行者の方々が法螺貝を吹きながら入場します。

行者達と導師が結界内に入る際、端の方を懐刀のような刀で結界を切る所作は成程と感心しました。私達衆生が集まっている所と護摩壇が置かれている結界内は違う場所なのだと改めて認識させられました。

法斧・法弓・法剣の儀は、それぞれ行者が斧・弓矢・剣によって東方、南方、西方、北方、中央の穢れを祓い、護摩供の間、不動明王に結界内を守ってもらいます。特に弓矢は実際に放たれ、開運の矢としてご利益があるそうなので拾われたりキャッチできた方はラッキーですね!

護摩木の大きな煙と炎が上がり、願いが天に昇ってゆく臨場感と大迫力!

 

そして柴燈護摩供です。先程の六波羅蜜修行護摩から移された火を護摩壇に点火して、太鼓や錫杖を使っての般若心経、不動明王真言を唱え、護摩木を投入します。

柴が燃え出すと、物凄い量の煙がもうもうと立ち上り、炎の熱で一気に熱くなりました!この日は曇り空でひんやりとしていて上着がいるぐらいだったのですが、上着を脱ぎたくなる程でした。離れていても感じる熱さはそれだけ護摩壇が大きいという事ですね。

柴燈護摩供では願い事を書いた護摩木はその場で焚き上げてもらえるので、願いがすぐに叶いやすいそうです。沢山積まれた護摩木は次々に護摩壇に投入されます。不動明王はお顔こそ厳めしいですが、何人たりとも救わずにはおかないとするお心を持った慈悲深い仏様なので、沢山の護摩木に書かれた願い事をきっと1つ1つご覧になっているでしょう。

おき火の上を素足で歩く火渡り 煩悩を払い、無業息災を願う

護摩が終了したら灰を均して行者を先頭に参加者も裸足で灰の上を歩き、無病息災などを祈願する火渡りです。火と煙は厄払いにもなり諸悪を祓い清めるそうで、当たれば有難いものとされています。

結界内に入る際には、行者の方が結界を切った時にも使われた懐刀のような刀で背中辺りに触れ、加持をしてくれました。

火渡りを終えた参加者には「心願成就お守りカード」が配られました。「心願成就カンマンボロン」の題字は密厳寺の副住職が、裏面の霊符は御住職が書き下ろされました。不動明王のイラストも描かれていて、ご利益がありそうです!

筆者は初めての火渡りの参加でした。熱いかと思われた灰は、柴燈護摩供が適切に執り行われる為、温かいぐらいで火傷を負うようなものではありません。足の裏が真っ黒になりましたが、参加出来ると言う楽しみや一体感がありますね。

3年ぶりに開催された不動の火渡りは多くの人々が参加し、願いや祈りを護摩木に託して灰の上を歩いた。

3年ぶりの実施となった不動の火渡りは、厳かに執り行われ無事に終了しました。先行きが不透明な情勢ですが来年もその先もずっと開催される事を願っています。

密厳寺では毎月20日頃に月例護摩供が、厄除け祈願・交通安全・病気平癒・家内安全等の護摩祈願は随時受け付けておれらます。今回は参加できず、来年まで待てない方は密厳寺までお問合せ下さい。

密厳寺

Website:http://www.mitsugonji.or.jp/
〒778-0040 徳島県三好郡池田町西山佐古3798
TEL・FAX: 0883-72-1548

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