武家屋敷 旧喜多家 パート1 秘境祖谷で最も大きい屋敷を訪ねる 

2022.04.25

特集

様々な伝説が残る三好市祖谷地方だが、ここには実際に記録の残る由緒ある建物も多く残っている。今回は築250年を超える武家屋敷を訪ね、その史実と屋敷近くの伝説とを紹介する。

徳島県三好市祖谷地区最大 桜に彩られた歴史ある武家屋敷

秘境祖谷というと、かずら橋や特徴ある農地などが有名だが、ここには歴代祖谷を治めたという喜多家の屋敷など由緒ある家屋も多く残されている。

里より少し遅い、奥祖谷の桜の時期に武家屋敷を訪れた。

大枝集落の長い山道を登ると現れる大きな茅葺き屋根

奥祖谷の大枝集落は大分山の上の方にある。

曲がりくねった道をゆっくりと車を走らせると、その距離に、大きな屋敷など本当にあるのかと思うだろう。

しばらく行くと道は行き止まりになり、視界が広がり、山々が遠くまで見渡せる。そこには立派な茅葺き屋根の「武家屋敷 旧喜多家」が顔を見せる。

見事な石垣や縁側…秘境に隠されたお屋敷

満開の桜の中、石段を登って建物へ向かう。 

そこでいくつも並ぶ障子や大きな縁側も目に入ってくる。庭も広く、まわりの石垣も高く厚く積まれ、一般の昔の祖谷の家屋とは全く違う。

素朴な暮らしの祖谷にここまで立派な武家屋敷があるのに驚く人々もいるだろう。

大きな囲炉裏や、部屋から臨む四季折々の美しい庭に当時の武家の暮らしを偲ぶ

上層階級の屋敷の特徴として、式台のある正面玄関、そして書院風の座敷がある。大切な訪問者も多かったのだろう。

建物の中心には囲炉裏のある部屋。囲炉裏も長方形で大きく、大勢で囲めるようになっている。隣には、畳廊下のある六畳の間と八畳の間だ。 

また、武家の屋敷として、移築前には、自害のための「入らずの間」もあったようだ。 

各部屋からの外の眺めも美しい。縁側でもぜひ腰を下ろして山々を眺めてみて欲しい。 

パート2では、武家屋敷 祖谷の政所としての喜多家の歴史を紹介する。

【次の記事はこちら】
武家屋敷 旧喜多家 パート2 阿波国 祖谷山の政所
 

武家屋敷旧喜多家

https://miyoshi-tourism.jp/spot/bukeyashikikitaclan/

営業時間 9001700
定休日 12月1日~翌年331日 (冬季休業)
料金 大人:310円、 小人:100
TEL 0883-88-2040

778-0204 徳島県三好市東祖谷大枝43

(取材・文・写真: ショーン ラムジー)

オススメ観光情報

  • 東祖谷歴史民俗資料館 

     "平家落人の里”として伝説が今も息づく祖谷地方。平清盛が生きた時代や源平合戦など正史を取り上げながら、『平家物語』と「祖谷平家伝説」の関わりを紹介し、伝説ゆかりの場所を写真パネル等で取り上げています。
     また、東祖谷は深奥の秘境であり、全ての始まりの地でもあったことから、独自の文化・風習・慣習が育まれました。資料館では、四季を通じた東祖谷の姿、時代の変化に伴う日常道具の変遷、生活を潤す芸術品など、村民が大切に残した時代の形をご覧ください。
    2階には500名収容のホールもかねそなえています。

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  • 落合集落(国選定重要伝統的建造物群保存地区)

    落合集落は、東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流点より山の斜面にそって広がる集落である。集落の起源は明らかになっていないが、平家の落人伝説や開拓伝承などが祖谷地方には残っている。集落内の高低差は約390mにも及び急傾斜地に集落を形成している。
    江戸中期から昭和初期に建てられた民家や、一つひとつ積み上げた石垣と畑などの光景は、なつかしい山村の原風景を醸し出している。
    平成17年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

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  • 昔暮らし体験宿 カジヤ祖谷浪漫亭

    カジヤでは薪割りや風呂焚きの体験などが出来ます。
    露天の五右衛門風呂も供えられているので、
    普段目にしない緑豊かな景色を同時に楽しむ事が出来ます。

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