「平家屋敷民俗資料館」平家を支えた御典医の系譜を追って パート3 

2022.03.15

特集

秘境のまち、徳島県三好市。山間部の集落やかずら橋、そして平家の落人伝説で有名な祖谷のあるまち。祖谷では平家の系譜、平家に仕えた御典医の系譜がいまだ脈々と続いている。今回は祖谷を支え続けた一族、西岡家の「平家屋敷民俗資料館」を紹介する。

【前回までの記事はこちら】
>>「平家屋敷民俗資料館」平家を支えた御典医の系譜を追って パート1
>>「平家屋敷民俗資料館」平家を支えた御典医の系譜を追って パート2

平家由来の鎧・旗や、当時の生活用具など 歴史を感じる品々と祖谷の暮らし

資料館となっている平家屋敷の母屋は、慶応3年建造。建物に入り、まずはじめに目を引かれたのはその広さ。ふすまは取り払われ、展示用のケースなどもあるが、建物自体が大きい。祖谷の普通の農家などは、これよりもだいぶ小ぶりだ。

館長の西岡さんは45年ほど前までここで暮らしており、様々な思い出があるそうだ。

平家屋敷の中で楽しめる美しい影絵

入口すぐのところで、欄間を通してできる影絵を岸田さんが紹介してくれた。祖谷ではこのような古い建物では欄間があるのもめずらしく、訪れた人に楽しんでもらうために灯りの位置などを調節されたそうだ。

囲炉裏の煙が香る屋敷 200年ものあいだ煤で黒く染まった屋根裏は圧巻

一番奥には囲炉裏がある。通常は午前中に毎日囲炉裏を使っているそうだ。建物の中全体にその香りが漂っている。囲炉裏の火を見学したい方は午前中に訪問するのがおすすめだ。

そして、見上げると、茅葺き屋根の裏側。こちらは、梁などと共に囲炉裏の煤で真っ黒になっている。代々ここに暮らした西岡家の人々も毎日眺めていたのだろう。

祖谷の農業と文化

大きなお屋敷にふさわしい大きな「いもあな」もある。これは、祖谷地方独特で床下にある穴で芋を保存するものだ。

また、農業の道具も多く保管されているほか、お化粧道具や様々な本、三番叟(さんばそう)という、徳島県域の祝福芸に使用される人形も展示されている。

安徳天皇御典医の子孫 祖谷の薬草関連の展示も

資料館の一角は、薬関連の展示だ。医者のご子孫の家系としてか薬箪笥や道具も多い。祖谷で採れる薬草も表記されており興味深い。

歴史好きにおすすめ 祖谷の歴史を語る収蔵品

この資料館では御典医に関わるものだけではなく、祖谷の暮らしや文化に関わる様々な展示物がある。特に明治時代のものと思われる貴重な収蔵品も多く展示されている。

平家の歴史ファンにとどまらず、建築や骨董の愛好家にもぜひ訪れて欲しい資料館だ。

(取材・文: ショーン ラムジー、写真:平家屋敷民俗資料館 & ショーン ラムジー)

平家屋敷民俗資料館

Website: https://r.goope.jp/heike-1408
Instagram: https://www.instagram.com/heikeyashiki/

定休日/年中無休 ※臨時休業あり
営業時間/3月~11月:9時00分~17時00分
12月~2月:9時00分~16時00分
※建物内の囲炉裏を焚く時間は季節や状況により短縮の場合あり。
料金/一般(中学生以上) 500円
小人(小学生) 300円
団体割引20名様以上 1割引

オススメ観光情報

  • 祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)

    平家一族の哀話を秘める、秘境“祖谷”にあるかずら橋。シラクチカズラ(重さ約6トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14m。 昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設であった。3年毎に架替えが行われる。(国指定重要有形民俗文化財)

    ◎かずら橋ライトアップ
     毎日19:00~21:30の間かずら橋をライトアップします(渡橋はできません)。
     闇夜の中に照らされた「かずら橋」が幻想的です。

    ◎平家伝説の残る「琵琶の滝」がすぐそばです。
     祖谷のかずら橋を渡ってすぐに左に50mくらい行くと、落差約50mの滝が現れます。

    ◎川遊び:「琵琶の滝」を更に50mくらい行くと遊歩道があり、そこから川辺に下りて遊べます。

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  • Cafe&ジビエ

    ジビエは高タンパク、低カロリーで栄養価が高い食材です。
    ジビエ独特の臭みがないので、非常に食べやすいです。
    ジビエに対する概念を覆してくれるでしょう。

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  • 湯元新祖谷温泉ホテルかずら橋

    ケーブルカーで楽しむ露天風呂からの絶景が楽しめます。
    地元食材を使った郷土料理もおすすめ。

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