秘境のまち徳島県三好市 山村の原風景 落合集落 パート3 

2021.10.06

特集

茅葺き屋根の古民家、傾斜地の畑、石垣の続く里道。落合集落は祖谷の風土に根付いた伝統的な暮らしがいまだ残された、秘境の生きた宝ともいえる集落だ。 

落合集落は2006年、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された地域である。そこを訪れる一番の楽しみとしては、もちろん、江戸時代中期から昭和初期にかけて建てられた茅葺きの民家の数々を眺めることだろう。 

祖谷川の反対側の集落にある展望所では、古民家の点在する落合集落の全貌を望む。そして、落合集落内を訪れると、様々な場所で茅葺きの屋根がのぞく。 

そんな古民家の昔の暮らしそのままを見学したいときは、築100年を超える「長岡家住宅」に立ち寄ってみよう。囲炉裏部屋が二つに、畳の座敷のある、この地域では立派なつくりの建物で、支配階層に属した家だったと言われている。 

囲炉裏のそばに座って、上を向くと、茅葺きの屋根を内側から眺めることができる。囲炉裏の煤でいぶされてきた梁は長い年月をかけて真っ黒になっている。この囲炉裏を家の中心として、何世代もが食事をとったり、夜なべ仕事をしたり、団らんしたりして暮らしてきたのだろう。 

また、復元されてそのまま煮炊きが出来そうな囲炉裏だけではなく、祖谷の古い家には必ずある保存庫としての「イモ穴」や昔のお手洗いの仕組みなども見学することができる。

長岡家住宅 水曜日・冬季休業 

思い出に残る夜

そしてこの落合集落では古民家に宿泊することも可能だ。

「桃源郷 祖谷の山里」では、各建物の元の個性を生かして修復された8棟の古民家が、宿泊施設となっている。

伝統的な建物ながら、床暖房、モダンなキッチンやバスルーム、Wi-Fiなど、現代の設備が入れられ、快適に古民家に滞在することができる。 

古民家から眺めるパノラマの景色。山の向こうに沈んでいく夕日。秘境ならではの、都会では見る事の出来ない夜空を埋め尽くす星々。どこか懐かしいような、そんな古民家での滞在は誰にとっても忘れられない経験となるだろう。

傾斜地の里道を散策し、祖谷の山々を眺め、古民家に滞在。かつての山の集落の暮らしに思いをはせてみるのはいかがだろうか。

落合集落 

https://miyoshi-tourism.jp/spot/ochiaishuraku/ 

桃源郷 祖谷の山里 

http://www.tougenkyo-iya.jp/ 

(取材・文: ショーン ラムジー、写真:@ちいおりアライアンス & ショーン ラムジー)

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