霊峰剣山 伝説とミステリー パート1
2021.08.17
徳島県三好市東祖谷。様々な歴史と伝説に彩られた西日本第二の高峰剣山。大祭のレポート、そして伝説やミステリーについても紹介する。
徳島県のほぼ中央に位置する西日本第二の高峰剣山。標高1955m、日本百名山に選ばれている。
一帯は剣山国定公園として指定され、コメツガ、ブナ、シデ、ミヤマクマザサやキレンゲショウマ等、様々な植生を楽しむことができる。
祖谷をつくる祖谷川の源流がある。そして、大劔神社から少し下ったところには名水百選にも入っている「御神水(おしきみず)」が湧いている。
霊峰とその自然
剣山は、古くは修験道の山であり山岳信仰の対象とされてきた。「鎖行場」もあり、今でも大変まれだが、行者を見かけることもある。
昭和45年に「剣山観光登山リフト」が開設。頂上までの登山道の約半分をリフトに乗り約15分で上がることができる。リフトを降りるとそこから頂上までは約1時間の登山。
この登山の手軽さと、その時代の観光ブームに伴い、剣山は、信仰の山から観光の山へと変わってきた。
伝説の山
また、剣山には平家落人の伝説もある。屋島の戦いで敗れた後、幼い安徳天皇を守りながら共に祖谷まで落ち延びてきた平家が再興を願い、三種の神器のひとつである宝剣を剣山に収めたといわれている。
登山道には、宝剣を運ぶ従者を休ませるため、その宝剣を掛けたといわれる「刀掛けの松」があり、今でも登山者が休憩するスポットとなっている。
頂上付近には、宝剣をそこに収めたのではないかと言われる宝蔵石も鎮座する。この伝説が剣山の名称の由来となっているとも言われている。
山頂近くの「平家の馬場」では、落ち延びてきた平氏の武者たちが源氏との戦いに備え、乗馬や武術の訓練をしたともいわれている。
山頂付近に高い木々はなく、晴れた日にはデッキからは剣山系の山々をはじめ、瀬戸内海、土佐湾まで見渡すことができる。
また、剣山付近は、街などの光が及ぼす影響が少なく「日本で最も暗い場所」と言われ、頂上ヒュッテに泊まって行う天体観測が人気だ。多くの天体ファンもやってくる。
そして、翌朝、早朝には広大な雲海が目の前に広がる。
パート2では、2021年「霊峰剣山 山頂大祭」をレポートする。
剣山観光登山リフト
営業日4月下旬から11月30日
剣山頂上ヒュッテ
https://tsurugisan-hutte.com/
Part2はこちら:https://miyoshi-city.jp/2021/08/8567/
(取材・文: ショーン ラムジー、写真:大歩危祖谷ナビ & ショーン ラムジー)
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