囲炉裏のある暮らし (Part 2)

囲炉裏のある暮らし (Part 2)

囲炉裏のある暮らしPart2

祖谷の囲炉裏

 

囲炉裏は昔の暮らしにはなくてはならないものでしたが、祖谷でも様々な役割を果たしてきました。

調理や暖房としてももちろん、作物等の乾燥や茅葺き屋根の建物の維持にとってもなくてはならないものでした。

囲炉裏から出る煙は茅葺き屋根の虫よけにもなり、また建物を内側から乾燥させ、屋根だけではなく柱や梁をも長持ちさせることに役立ちました。

また、祖谷の農業では、たばこの栽培がさかんに行われた時期が長くありましたが、秘境と言われる地、どこからも遠く離れた祖谷では現金収入を得るのが難しかったため、人々は手間がかかるたばこをも栽培し生計を立てていました。

ここでまた大事な役目をするのが囲炉裏です。収穫したタバコの葉は一枚ずつきれいに手で開いて伸ばされ、それを縄に挟んだものを部屋に吊るし、囲炉裏の火で昼夜乾燥させたそうです。

たばこの葉をのばす作業は夜の仕事でした。祖谷の夜は、囲炉裏のまわりに家族が集まって夜なべで仕事をしたそうです。女性は石うすで蕎麦を挽き、男性は草履や筵つくり、そして子供たちはたばこの葉を伸ばす仕事など、家族みんなで仕事をしました。

その間、子供たちが退屈しないように、特におじいさんやおばあさんは様々なお話しをしました。今でも残っている祖谷の民話では、本当に古い昔話から妖怪の怖い話、笑い話など様々な内容のお話があります。このようなお話を昔の祖谷の子供たちは囲炉裏の周りで家族と一緒に聞いていたのですね。そして、囲炉裏の忘れてはいけない大事な役割、調理です。

祖谷の各家庭には土間にかまどもあったようですが、囲炉裏でも常に食事の煮炊きがされていました。昔は米をあまり食べることができず、麦や雑穀など、食べてもすぐにおなかがへってしまうものが多かったため、1日に4回食事をとったりしていたそうです。近隣で獲れた猪の鍋や川で釣ったあめごの塩焼きなどは、囲炉裏で調理されるごちそうでした。

また、祖谷には「でこまわし」という郷土食があり、ジャガイモや豆腐、こんにゃくを串に刺し甘い味噌だれをつけてゆっくりと焼くのですが、これも囲炉裏がなくてはできない、素朴ながら味わい深い料理です。

Part3では、祖谷で実際に囲炉裏体験のできる施設を紹介します。

(文:Shaun Lamzy ショーン ラムジー)

 

三好市公式観光サイト【大歩危祖谷ナビ】
https://miyoshi-tourism.jp/