秘境のソロキャンプ ~奥祖谷二重かずら橋~ パート2 

2021.09.20

特集

徳島県三好市祖谷の最も深いエリアにある「奥祖谷二重かずら橋」。ここは観光スポットであるだけではなく、キャンプ場も隣接していることはあまり知られていない。自然に囲まれたこのキャンプ場の環境は、初心者から経験豊かなキャンパーまで、誰にでも気に入ってもらえるに違いない。そんな秘境でのソロキャンプについて紹介する。 

奥祖谷二重かずら橋のキャンプサイトは、日常から離れ、祖谷の山奥の自然を心から満喫するのにベストである。安全で施設も十分整っているため、今回はソロキャンプを行った。 

一般的なキャンプ場は、各テントの区画がきっちりと決められていたり、車のすぐ横だったり、道路や大きな建築物が見えたり、本当に「自然にかえる」感覚にまではならないこともある。 

しかし、この木々に囲まれ、美しい祖谷川のすぐ横のキャンプサイトは、いつものキャンプとは少し違った経験となるだろう。 

このキャンプサイトは二段に分かれており、1015程度のテントを設営することができる。区画分けもないため、好きな場所を選ぼう。週末や休日は他のキャンパーもいるかもしれないが、この日はテントを張っているのは自分一人、本当のソロキャンプとなった。 

テントを設営した後は、周辺を散策。大きな「男橋」、小ぶりな「女橋」の二つのかずら橋を何度も行ったり来たりして渡るのはもちろん、澄んだ祖谷川の冷たい流れの中にも足を踏み入れた。 

また、キャンプ場の奥には「遊歩道」の看板があり、川に沿って遠くまで続いている。この遊歩道は平坦でとても歩きやすいが、ところどころの木製のスロープは湿気のためかなり滑るので注意が必要。しっかりした靴をすすめる。 

川のせせらぎや鳥のさえずりと共に遊歩道を進むこと約20分。浸食防止に作られたダムにたどり着く。水が深くなっている場所は濃いエメラルドクリーンでその深さも美しい。なお、最終地点まで行かなくても、ゆっくり歩いて森林浴を楽しんだり、途中で川に入ったりしてもいい。フレッシュな空気を楽しもう。 

キャンプ場に戻った後は、夕食の準備を始める。はじめにキャンプファイヤーの準備。せっかくの機会なので、調理用のガスとは別に、乾いた薪も持参した。森の木は、折ったり取ったりせず、まわりの自然に敬意をはらう。 

祖谷の食を楽しむ 

このキャンプ場からは道路は見えないが、車まではそれほど遠くなく便利なため、このソロキャンプには薪をはじめ、いろいろな食材も持ってきた。いよいよキャンプのメインイベント、料理を始める。 

このソロキャンプでは、祖谷のローカル食材にこだわり、祖谷のジビエの鹿ロース、祖谷のごうしいも(じゃがいも)、産直市で買った野菜を使用。鹿ロース肉は、数時間マリネし、ぎゅっとうまみが圧縮した地元の小ぶりなジャガイモは下茹で済。すべてを一緒に一つの鍋で調理した。鹿肉は柔らかく味わい深く、芋には甘みもあり鹿肉とよく合う。キャンプなのに随分、豪華なディナーとなった。 

祖谷の味を堪能した後は、自分の子供時代を思い出し、スモアを作った。はじめにキャンプファイヤーの火を使って大きなマシュマロを焼く。

熱々のマシュマロをチョコレートを乗せたビスケットに置いて、もう一枚のビスケットではさむ。チョコレートがマシュマロの熱で溶けて、温かいマシュマロとチョコレートの甘さ、クッキーとの食感がなんとも言えないキャンプの定番デザートだ。夕食後なのに、マシュマロを焚火で焼いては、何個も食べてしまった。 

パート3では、キャンプの翌日のアクティビティと、キャンプ場へアクセス、地元食材の取扱店について紹介する。 

奥祖谷二重かずら橋 

https://miyoshi-tourism.jp/spot/okuiyanijukazurabashi/

祖谷の地美栄 (ジビエ肉販売) 

https://iya-gibier.com/

(取材・文・写真:ショーン ラムジー) 

 

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