霊峰剣山 伝説とミステリー パート3

2021.08.27

特集

徳島県三好市東祖谷。様々な歴史と伝説に彩られた西日本第二の高峰剣山。大祭のレポート、そして伝説やミステリーについても紹介する。

西日本第二の高峰剣山、現在は観光の山として多くの人々が訪れる。しかし、昔は山岳信仰の対象として修験道の修行の場であり、現在でも多くの伝統ある神事や行事が行われている。 

剣山は美しい自然保護区というだけではなく、霊峰の名にふさわしい神秘と伝説に満ちた 歴史があり、人々を惹きつけながら今日に至っている。 

日本のインディ・ジョーンズ 

その剣山のミステリーのひとつは、古代イスラエルとのつながりで、この謎に人生をかけた人がいた。 

1930年代、教師であり、聖書研究家であった、高根正教という男が剣山の発掘をはじめた。彼の研究によると、ソロモンの秘宝、失われたアークがここに埋まっているというものだった。 

失われたアークというのは、聖書でモーゼが受けた十戒を刻んだ石板が入っている金色の箱舟で、古代エルサレムの崩壊とともに行方不明のまま。映画「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」で有名な宝である。 

剣山大祭の重要な御神輿、これを担ぐ様子が聖櫃を運ぶ様子と酷似しているという。そして、修験道者はこの剣山に隠された聖櫃を守っている庇護者であるという。 

 高根氏は20年近くかけて発掘を続けたが、ソロモンの秘宝が現れることはなかった。しかし、その際に隠れた洞窟や奇妙な遺物を発見する。 

それによって、他の研究発掘者も続き、ソロモンの秘宝が隠されているだけではなく、剣山自体が人工物では、と主張する者も現れた。 

高根氏のこの広大な発掘調査は、1952年に数体のミイラを発見したらしいと噂されるとともに放棄されている。理由は述べられていない。さらに1956年から、別のグループが発掘を開始したが、数年後には、周辺全体が剣山国定公園に指定されるとともに、謎は謎のまま、彼らの調査は終わることとなる。 

若がえりの水、日本で一番の天体則場所、天皇家に伝わる宝剣、修験道、聖書の伝説、様々なミステリーが未だささやかれている霊峰剣山。しかし、この高峰が特別な魅力を持っていることには違いはない。 

国定公園の自然を楽しみながら登山するのも、平家の伝説や古代の謎に思いを巡らせながら歴史やミステリースポットを訪ねるのも良い。剣山は様々な顔をもって私達を迎えてくれる。 

ぜひそんな剣山を訪れてほしい。 

剣山 古代ミステリーと神秘の世界 

http://www.mystery-tsurugi.com/ 

剣山観光登山リフト  

営業日4月下旬から1130

http://www.turugirift.com/

剣山頂上ヒュッテ

https://tsurugisan-hutte.com/

(取材・文: ショーン ラムジー、写真:ショーン ラムジー & ジェームズ・ティソ, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由)

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