霊峰剣山 伝説とミステリー パート2 

2021.08.24

特集

徳島県三好市東祖谷。様々な歴史と伝説に彩られた西日本第二の高峰剣山。大祭のレポート、そして伝説やミステリーについても紹介する。

令和3718日(日)、剣山山頂にて「霊峰剣山 山頂大祭」が行われた。

霊峰剣山 山頂大祭 

当日はあいにくの雨。その悪天候の中でも、この大祭に参加するため多くの人々が集まった。はじめにリフトで見ノ越から西島駅まで上がり、そこから約1時間かけて本宮宝蔵石神社まで登山する。神事のための大きな太鼓を運ぶ人々もいる。 

すでに、白いはんてんや行衣を身に着けた関係者が剣山本宮宝蔵石神社に集まっている。昨年から御神輿の担当を行われている忌部文化研究会の方々が中心となり、様々な準備を行っている。悪天候のため、この日は例年の屋根に鳳凰が乗り紅白の綱で飾られた御神輿とかわり、簡素な御神輿が使用されることとなった。例年は数十人で囲んで担ぐのだが、今年は数名で担ぐことともなった。 

神事が始まり、宮司さんが祝詞をあげる。赤い布で覆われ、御神体が神社から御神輿に遷される。その間は太鼓の音が鳴り響き、ほら貝がふきならされ、「オー、オー」と声も響き渡っている。 

続けて本宮神社からその裏の巨大な岩蔵、宝蔵石へ移動する。宮司さんは岩の上へ登り、さらにそこでもご神体が御神輿へと遷される。雨の中、参加者は一体となり、心を清らかな状態にするという「六根清浄」の掛け声を声全身全霊で唱えている。そして山頂を目指す神輿渡御が始まる。 

霊峰の試練と浄化  

猿田彦に扮した天狗が先導し、綱を引く者、神輿を担ぐ者、平家や剣山本宮の御旗を持つ物、崇敬者の一行は須佐之男命・安徳天皇のご神体を載せた御神輿を担ぎ、雨の中、山頂を練り歩く。悪天候の中でも一行の熱気が伝わってくる。

霧もかかり、その眺めはとても神秘的でもある。 

 山頂三角点に御神輿が付くと、ここで宮司さんによって四方祓いが行われる。強くなる風雨の中、一行は頭を垂れ、きりぬさが舞う。天候も相まって、神秘的な古代からの神事に参加しているように感じた。日常では感じる事のない自然と歴史と神事が一緒になった力があった。 

 ぜひ、来年は神秘的な剣山の大祭に参加してみてはどうだろうか。 

パート3では、剣山にまつわる様々なミステリーと謎を紹介する。 

霊峰剣山 山頂大祭: 毎年717日の例祭日以降の日曜日 

協力: 一般社団法人 忌部文化研究会 

http://www.awainbe.jp/ 

剣山観光登山リフト  

営業日4月下旬から1130

http://www.turugirift.com/

剣山頂上ヒュッテ
https://tsurugisan-hutte.com/

Part 3はこちら:https://miyoshi-city.jp/2021/08/8573/

Part 1はこちら:https://miyoshi-city.jp/2021/08/8556/

(取材・文・写真: ショーン ラムジー)

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