日本三大秘境 徳島県三好市『祖谷のかずら橋』三世代の渡り初め|パート2

2021.03.07

特集

祖谷のコミュニティー をひとつに繋ぐ人と場所

徳島県三好市、「祖谷のかずら橋」では、3年ごとのかずらの架け替え作業が終わり、竣工式では「三世代の渡り初め」という、三世代ご夫婦が架け替えたばかりの橋を渡るという行事が行われました。 

今回は渡り初めに参加された、谷さんご一家を訪ねてきました。 

谷さんご一家の年長のご夫婦、栄二さん、峯代さんは、祖谷地域でも上流に位置する奥祖谷で「谷商店」を経営されています。 

お店に入ると、栄二さんがレジ横のデスクから笑顔で迎えてくれました。レジスターだけではなく“そろばん”が今でも現役で活躍しています。そして、「はーい」という元気な声とともにキッチンから峯代さんが迎えてくれ、祖谷にお嫁に来てからの出来事やお店の事、祖谷の事を語ってくれました。 

「谷商店」は、栄二さんのお父さんの代からで、80年以上も続いているお店だそうです。 食品や日用品販売だけではなく「訪れた方にゆっくりしていただけるような場所になってほしい」と数年前から小さなカフェも始められています。

また、栄二さん、峯代さんは今年で60年のダイヤモンド婚になるそうです。「60年間、ずっと一緒にお店で働いて頑張ってきて、今回、健康で自分たちの足で、一家3世代そろってかずら橋の渡り初めができて、こんなにうれしいことはない」と峰代さんは笑顔で語ります。 

峯代さんからお話しを伺っている間にも、地元の方々が来ては挨拶をしたり、栄二さんと何か話し込んだり情報交換をしています。お店は、買い物をする場所だけではなく、地元の方が集まったり、おしゃべりしたりする大事な交流の場所の様です。  

そして、栄二さん、峯代さんの次の世代、ご長男の谷敏司、典子ご夫婦にもお話を伺いました。 

敏司さんは祖谷で生まれ育ち、現在は三好市池田町に住まわれ、IT関連事業を行われています。以前はメインの事業所も祖谷のご両親のお店の向かいの建物だったそうです。 祖谷ではそろばんのあるお店とITの事業所が向かい合わせだったのですね。

日本の原風景と言われるような伝統的な暮らしが未だに残る祖谷地方で、最新の職業を選ばれていることには大変興味深く感じます。また奥様の典子さんも、医療関連の仕事で常に新しい技術と共に人々に向かい合われています。 

そんなお二人は同じ三好市内と言ってもかなり離れた祖谷まで、地域の行事やイベントのお手伝いにしょっちゅう来られ、コミュニティーを支える大事な役目をされているようです。
ご両親が住んでいるというだけではなく、最先端の仕事をされているお二人にとっても、懐かしさの残るような祖谷は、やはり居心地が良いのでしょう。
典子さんは「お義母さんのちらし寿司が好きで、リクエストして作ってもらったりします」と仲の良い様子を語ってくれました。 

パート3では、祖谷と日本全国を繋ぐ、谷家の若い世代のご夫婦について紹介していきます。 

(取材・文: ショーン ラムジー)

 

三好市公式観光サイト【大歩危祖谷ナビ】
https://miyoshi-tourism.jp/

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