阿波池田・真鍋屋で池定美術作品と出会う
2020.11.30
美術鑑賞。などと言うと、少し構えてしまうものではないでしょうか。名作だ、傑作だと言われれば、自然とそう見えてしまうもので、正直言えば、絵の良し悪しなんてわからない。そういう方は多いでしょうし、かくいう自分もそのクチ。
でも、きっとそれでいいのだと思います。作品の価値を決めたり、判定するために、鑑賞するわけではないのですから。作品を見ることで、何かを感じたり、何らかの感情がわき上がってきたり、そういう心の揺らぎを得ることが、美術鑑賞のいいところではないかと。
とはいえ、コロナ禍の今、密になりがちな美術館には、なかなか足が向かないことでしょう。そこで、おすすめしたいのが、三好市地域交流拠点施設『真鍋屋』で開催されている、池田高等学校定時制課程の生徒たちによる美術作品展です。
『真鍋屋』2階のフリースペース、コワーキングルーム、ミーティングルームに展示された作品は、書画のほか、油絵あり、水彩画あり、オブジェありとバラエティ豊か。モチーフもさまざまで、それぞれに個性があり、どんな学生が作っているのか、おもわず想像してしまいます。
すべての作品に通じるテーマは、『雲外に蒼天あり』。これは、言葉のとおり、「雲の先には、青空が広がっている」ということ。転じて、「努力して試練や困難を乗り越えれば、すばらしい世界が広がっている」ということを意味しています。
雲は、試練や困難を暗示したもの。現在でいえば、新型コロナウィルスの流行も、それにあたるかもしれません。あるいは、人それぞれに試練があり、100人いれば100通りの困難があります。池田高等学校定時制課程の生徒たちが、このテーマから何を感じ取って、それぞれの作品を作ったのか? そこに想いを寄せて見れば、また違った感情が生まれるかもしれません。
というわけで、個々の作品の解説は、差し控えさせていただきます。実際に見て、何かを感じてほしいからです。
『真鍋屋』では、12月7日(月)まで展示しています。開館時間内(11:00~18:00)は、自由に入場できますので、ぜひ、足をお運びください。
また、12月7日(月)~令和3年1月8日(金)は『箸蔵とことん』にて、令和3年1月8日(金)~1月29日(金)は『フレスポ阿波池田』にて、引き続き展示会を開催する予定です。
ここ池田から生まれた美術作品に触れ、雲外の蒼天に想いを馳せてみませんか?
(取材・文/大掛達也)
あわせて読みたい
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part3】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.27
-
『四国のへそ』と呼ばれる秘境の町「徳島県三好市」で桜が見頃を迎えました。
長く続いた寒い冬も終わり、徳島県三好市にも春がやってきました。 山間の至る所で桜が満開となってきました。 見頃となった三好市の桜をお届けいたします。 【関連記事】 >>【202
2023.03.27
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part2】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.26
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part1】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.25
-
徳島県三好市 大歩危をゆく パート2|渓谷を満喫 食事、アクティビティ、そして妖怪!?
四国を流れる吉野川は、徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷をつくり出している。 国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪
2023.03.21
-
徳島県三好市 大歩危をゆく パート1|吉野川の壮大な渓谷
四国を流れる吉野川は徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷を作り出している。 国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪れる
2023.03.20