落合峠を満喫する パート1 祖谷と四国山脈のパノラマビュー 

2022.09.26

特集

標高1520m、徳島県三好市、落合峠。市内では一般車の通れる道でもっとも高く、そして四国では2番目に高い峠だ。峠は祖谷の美しい景色を望むことができるだけではなく、近隣の山々への登山口でもある。ここから始まるいくつかのコースは、様々な長さや難易度で、それぞれに合った登山を楽しむことができる。

徳島県三好市 ツーリングやヒルクライムでも人気の落合峠への道

落合峠へは、北の東みよし町からと、南の祖谷を経由する二方向から向かうことが出来る。どちらの道路とも舗装された道だ。

この特集では、祖谷経由、祖谷を通る国道から30分上るコースで紹介している。

もし、東みよし町方面から来るのであれば、東みよし町の中心部より県道44号線を車で約1時間となる。 

【落合峠 ロードトリップの記事】
三好をぐるっと一周ツーリング~険道44号線チャレンジ!

ただし、どちらのルートでも、山奥まで入り、峠に近づくと人家や店等もないため、整備された車と十分なガソリンの準備が必要だ。 

また、峠は標高1500mを越えるため、11月~3月の冬季は積雪、そして、通年で大雨により通行止めになることがある。 

祖谷から落合峠へのアクセス 国道439号から落合集落を抜け山道を登る

落合峠はその名の通り、徳島県三好市東祖谷(別名:奥祖谷)の歴史ある落合集落を抜けて登り切った尾根にある。 

落合集落へは、祖谷地域の幹線道路、国道439号線からアクセスする。国道沿いには落合峠への標識も設置されている。

国道439号線から入った道路ははじめの数分は、木々の中を抜け、その後落合集落の民家の多いエリアを横切る。この辺りでは、茅葺き屋根の伝統的な建物もいくつか見かける。 

集落の民家のある場所を通り抜けると、ここからはまわりは山の木々のみ。そして、道は少し荒れている。続いての25分ほどは常に上りで、多くのカーブがある。 

道路は1車線のみだが、交通量はとても少なく、この日は林業のトラック数台のみ見かけた。ただし、見えにくい急カーブでは対向車に要注意だ。 

また、道路上に落ちている石にも注意。石や木の枝が落ちているのは、よくあることなので、車高の低い車で行くのはやめた方がいいただろう。 

落合峠周辺 

紅葉時には特に美しい山道を登り続け、その標高が高くなるほどに木々は減り、そして、峠の手前、1分ほどのところにある神社のある所に到着する。石像がたくさん祀られている。 

神社の隣には、落合峠避難小屋がある。ほとんど使われていないようだが、非常時には雨風をしのぐことが出来る。 

100メートルほど行くと、左手に入る脇道があり、駐車場へと続いている。 

駐車場に下りずに直進すると、峠に到着する。 

峠から登山する場合は、この駐車場を使用する。駐車場の端からは、峠までの歩道があり途中にトイレもある。 

なお、この駐車場、峠付近に水道や電気の施設はない。

四国第2の高さを誇る落合峠からの眺め

標高1520mの落合峠には、木製の標識がある。ここには、大きな木がほとんどなく、周辺は笹で覆われて、穏やかな丘の様に見える。

南には、祖谷の南の尾根がパノラマでどこまでも続いている。

峠から谷を越えてすぐの稜線には特徴のある、ピラミッド型の天狗塚が顔を出していて、その左()には雄大な三嶺山がそびえている。

息をのむほどの、落合峠からの絶景。さらにその先へ向かうには、峠からはじまる登山道に沿ってのトレッキングをすすめる。

登山道はビューポイントまでの15分ほどの短いものから、2時間や5時間のルート、もしくはさらに長く他の山々へつながるコースもあるので、経験と体力に合わせて選ぶと良いだろう。

パート2では、落合峠からの短い登山ルートをいくつか紹介、パート3では烏帽子山への登山を紹介する。

【次の記事はこちら】
>>落合峠を満喫する パート2 初心者にもおすすめの峠からの手軽なショートトレッキング

三好市観光ウェブサイト
https://miyoshi-tourism.jp/

(取材・文・写真: ショーン ラムジー)

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オススメ観光情報

  • 落合峠

    眺望の良い峠一帯には低いクマザサの群生が広がっています。県道44号線、標高1,520m。

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  • 落合集落(国選定重要伝統的建造物群保存地区)

    落合集落は、東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流点より山の斜面にそって広がる集落である。集落の起源は明らかになっていないが、平家の落人伝説や開拓伝承などが祖谷地方には残っている。集落内の高低差は約390mにも及び急傾斜地に集落を形成している。
    江戸中期から昭和初期に建てられた民家や、一つひとつ積み上げた石垣と畑などの光景は、なつかしい山村の原風景を醸し出している。
    平成17年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

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  • 東祖谷歴史民俗資料館 

     "平家落人の里”として伝説が今も息づく祖谷地方。平清盛が生きた時代や源平合戦など正史を取り上げながら、『平家物語』と「祖谷平家伝説」の関わりを紹介し、伝説ゆかりの場所を写真パネル等で取り上げています。
     また、東祖谷は深奥の秘境であり、全ての始まりの地でもあったことから、独自の文化・風習・慣習が育まれました。資料館では、四季を通じた東祖谷の姿、時代の変化に伴う日常道具の変遷、生活を潤す芸術品など、村民が大切に残した時代の形をご覧ください。
    2階には500名収容のホールもかねそなえています。

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