徳島県三好市の秘境・祖谷に伝わる逸話|『平家物語』には続きがあった?Part2
2022.11.16
源平の内乱や平家一族の盛衰が描かれた『平家物語』。800年以上の時を経た今でも忘れ去られることはなく、その生き様をモデルに近年では大河ドラマ『鎌倉殿の13人』やTVアニメなども制作されている。
『平家物語』の後半では、数え年で8歳の安徳天皇が祖母と入水する場面が描かれ、悲劇的な最期を迎えた天皇として記憶している人も多いだろう。
しかし、徳島県の三好市では「実は安徳天皇が生き延びていた」という逸話が残っているのだ。今回は「もうひとつの平家物語」が語り継がれる徳島の秘境を訪ねた。
【前回までの記事はこちら】
徳島県三好市の秘境・祖谷に伝わる逸話|『平家物語』には続きがあった?Part1
日本三大秘境の一つ“祖谷”とは
史実とは異なった伝承が残る祖谷。徳島県の三好市に位置しており、“日本三大秘境”の一つに数えられる。
険しい山々がそびえ、エメラルドグリーンの川が山間を縫うように流れる様子は、まさに秘境と呼ぶに相応しい景観だ。特にV字型に切り込まれた渓谷「祖谷渓」は周囲が霧に包まれることもあり、俗世と隔絶された厳かな雰囲気が漂っている。
壇ノ浦の戦いがあった場所は、山口県下関市の関門海峡あたり。戦いに敗れた平国盛たちは安徳天皇とともに東進し、四国の讃岐山脈を超えて祖谷の地へと辿り着いたといわれている。
外敵の侵入を阻むために造られた「祖谷のかずら橋」
祖谷のある三好市内には、平家が逃げ延びた証ともいえるスポットが数多くある。国の重要有形民俗文化財に指定されている「祖谷のかずら橋」もその一つ。
都落ちした平家が追っ手の侵入を防ぐために造ったと言われている。
橋の造りに注目してみると、蔓のようなものが巻かれ、足場も隙間が多いことがわかる。平氏は、源氏が攻めてきた際に橋を切り落とし、こちらへ侵入できないよう、高山に自生するシラクチカズラで造ったそうだ。
【詳細情報】
祖谷のかずら橋
https://miyoshi-city.jp/spot/祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)/
住所:徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
料金:大人550円、子ども350円ほか
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かずら橋の近くには、徳島の郷土料理「でこまわし」が味わえる売店もある。祖谷の名産品である「ごうしいも」や「岩豆腐」などが串に刺さっており、口に含めばほくほくとした食感とともにほのかな甘さが舌を喜ばせてくれる。
このほか、炭火でじっくり時間をかけて焼かれた天然のアユやアマゴも味わってもらいたい。ぎっしりと身が詰まり、程よい苦味と絶妙な塩加減が川魚本来の旨みを引き立てる。祖谷の自然が育むめぐみに、思わず感謝したくなるほどだ。
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西日本第2の高峰・剣山へと向かうために掛けられた「奥祖谷二重かずら橋」
“かずら橋”は一カ所だけではない。祖谷のかずら橋からさらに東へ行くと 、剣山(つるぎさん)の麓に「奥祖谷二重かずら橋」が掛かっている。
この奥祖谷山村にある奥祖谷二重かずら橋には、かつて平家一族が剣山へ向かうために使っていたという逸話がある。また、「男橋」と「女橋」の2つがあり、合わせて「夫婦橋」とも称されている。
奥祖谷二重かずら橋を訪れた際は、人力で渓谷を渡るロープウェイ「野猿」にも注目してもらいたい。2022年10月現在は故障中だが、季節ごとに四季折々の美しい顔を見せる“祖谷の自然”をスリルとともに味わえるだろう。
【詳細情報】
奥祖谷二重かずら橋
https://miyoshi-city.jp/spot/奥祖谷二重かずら橋/
住所:徳島県三好市東祖谷菅生620
料金:大人550円、子ども350円ほか
平家が騎乗訓練していた「平家の馬場」
奥祖谷二重かずら橋のさらに奥、1,955mもの標高を誇る剣山にも平家の歴史が眠っているのをご存知だろうか。祖谷へと落ち延びた平家は、安徳天皇とともに三種の神器の一つ「天叢雲剣」をこの剣山に納めたという言い伝えが残っているのだ。
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また、山頂近くには「平家の馬場」と呼ばれる草原が広がっており、平家の復興を願う一族が騎乗や武術の訓練を行っていたという。
【詳細情報】
平家の馬場
住所:徳島県三好市東祖谷菅生
登山リフト料金: 大人1,900円、子ども900円ほか
引き続きpart3では、今なお平家の暮らしを窺い知れる場所を訪れていこう。
>>徳島県三好市の秘境・祖谷に伝わる逸話|『平家物語』には続きがあった?Part3
編集:男の隠れ家デジタル 文:菅堅太 撮影:井野友樹
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いこい食堂
名物の祖谷蕎麦、でこまわし、あめご・鮎の塩焼きを食べる事が出来ます。
一番奥の席では、四季折々の渓谷を楽しむ事も出来ます。
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湯元新祖谷温泉ホテルかずら橋
ケーブルカーで楽しむ露天風呂からの絶景が楽しめます。
地元食材を使った郷土料理もおすすめ。 -
大歩危峡・小歩危峡
"結晶片岩が水蝕されてできた溪谷は、大理石の彫刻がそそりたっているかのようで、春は桜・秋は一面の紅葉が清流に色をそえ、スリル満点の舟下りが楽しめる。
大歩危の下流約3kmが小歩危。大歩危より構えは小さいが、奇岩怪石の妙と小歩危砂岩片岩と称される岩肌の美しさは、大歩危片岩に劣らない魅力をもっている。大歩危は平成26年3月18日に国指定天然記念物に指定され、平成27年10月7日には国指定の名勝にも指定された。平成30年2月13日には小歩危が追加されて、「大歩危小歩危」で国の名勝に指定された。
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