剣山~三嶺縦走 三好市でチャレンジ! バスで行く祖谷トレッキング パート3
2021.11.01
秘境祖谷の集落からさらに奥深く、三好市の境をかたちづくる剣山系(つるぎさんけい)。西日本第二の高峰剣山から尾根沿いに続く三嶺。三好市の誇る、この二つの山の縦走を含んだ2泊3日、約25Kmのコース。登山口まで公共交通機関を使い、山頂ヒュッテに宿泊しながらのトレッキングを紹介する。
トレッキング2日目、剣山山頂から美しいご来光を望む
トレッキング二日目、剣山ヒュッテに宿泊した翌朝は、まだ薄暗いうちに頂上付近の木道まで向かい、数人の宿泊客と共に雄大な日の出を望む。風を受けながら、朝日で空が色づき輝いていくのを眺める。
なお、ヒュッテは標高1930m東向きで、風の強い日などは、窓からもパノラマの日の出を望むことができる。この日も建物内から日の出を眺めている宿泊客もいた。
一晩のうちに気温は6度まで下がったが、10月上旬でこの標高だとマイナスになることもめずらしくはないそうだ。宿泊の際は暖かい衣類の持参が必要だ。
ヒュッテでの朝食は、和食。ごはん、みそ汁、野菜や卵のセット。これから、縦走するのに必要なエネルギーとなる。前日に注文した昼食を受け取って、ヒュッテを後にする。
剣山~三嶺 前半17kmの縦走スタート 剣山の兄弟峰「次郎笈」へ四国随一の稜線を歩く
この日は、17Kmの長い縦走となる。尾根に沿って進むルートでは起伏も多く、景色を眺めながら、そして休憩しながらだと8時間以上かかることもある。ボトルに水を補給して、午前7時過ぎに出発した。
はじめに剣山の山頂三角点を通過し、次郎笈に向かう。剣山の別名は、太郎笈とも言い、次郎笈はその弟分なのだろう。
次郎笈は、剣山のとなりに美しくそびえたち、二つの山の稜線沿い頂上までの登山道を見渡すことができる。その日のゴールである三嶺の山頂も、霞んで見えそうなほどはるか遠く、右手に眺めることができた。
次郎笈への道は、見たままでとても分かりやすいのだが、剣山からの下りも、次郎笈山頂標高1930mへの登りも急であり、約1時間。そこから剣山と一ノ森を振り返って眺める。
次郎笈からさらに進むと、尾根に沿って登山道が続く中、まるで太古の骨のような白い枯れ木群を抜けると、全方向に景色が広がる。
次郎笈~丸石山へ 丸石避難小屋先の分岐では奥祖谷二重かずら橋への下山ルートもあり
次の1時間、道はゆっくりと下り、その後1683mの丸石山の頂上まで登る。ここからも剣山と次郎笈を望む。
疲れをためないように休憩もしっかりととる。水分補給を忘れずに行う。エネルギー不足にならない様に、エナジーバーやナッツ、甘いものなど携行食の持参も必須だ。
丸石山頂から少し森の中に入り、20分ほどすると、丸石避難小屋に着く。基本的には悪天候の際のシェルターだ。泊まることもできるが、水もトイレもない。
丸石避難小屋の少し後、右手から「奥祖谷二重かずら橋」まで下りる道がある。ここから1.5時間ほどの下り。縦走のこの先は、祖谷の集落方面へ出るには、三嶺からの下山道しかない。体調不良などの場合は、ここから二重かずら橋へ向けて下山することもできる。
次のピーク高ノ瀬へ。険しい急登を越えると山頂からははるか遠くに剣山と次郎笈の優美な姿が望める
縦走を続ける。稜線に沿った登山道をさらに1時間、うねうねと曲がりながら進み、高ノ瀬に近づくとともに標高も上がっていく。高ノ瀬頂上までの最後の約20分は岩場もある急な登りを行く。
(大雨の場合、縦走続行は危険なこともある。丸石避難小屋の使用や、天候が落ち着いた時の奥祖谷二重かずら橋への下山をすすめる。)
高ノ瀬頂上、1741m。山頂からは視界が開け、そこから広がる景色を望むことができる。剣山と次郎笈がすでに遠くに見える。3時間半ほどで随分遠くまで来た。
縦走前半のようやく半分ほどに到着。360度に広がる山々のパノラマを見ながら昼食をとる
その後40~50分、森のなかの上り下りが続き、道標を通過。ここまで剣山から8km、三嶺までは9km。ようやく縦走の半分ほどまでやってきた。0.5kmほど進むと、また森が開けて、山々の壮大な景色が目に入ってくる。
もう、昼近くになった。大分空腹になったので、バックパックも降ろし、昼食をとる。
この特集はパート6まで。次回、パート4では、剣山~三嶺縦走の後半を紹介する。
【次の記事はこちら】
パート4の記事はこちら
パート5の記事はこちら
パート6の記事はこちら
剣山
https://miyoshi-tourism.jp/spot/tsurugisan/
剣山頂上ヒュッテ
https://tsurugisan-hutte.com/
(取材・文・写真: ショーン ラムジー)
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