秘境のソロキャンプ ~奥祖谷二重かずら橋~ パート3 

2021.09.26

特集

徳島県三好市祖谷の最も深いエリアにある「奥祖谷二重かずら橋」。ここは観光スポットであるだけではなく、キャンプ場も隣接していることはあまり知られていない。自然に囲まれたこのキャンプ場の環境は、初心者から経験豊かなキャンパーまで、誰にでも気に入ってもらえるに違いない。そんな秘境でのソロキャンプについて紹介する。 

キャンプ翌朝、聞こえるのは川の流れの音だけ、穏やかな自然の中で目が覚めた。太陽は出てはいるが、木々で囲まれたキャンプ場へはまだ日は差し込んできてはいない。 

はじめに朝のコーヒー。東南アジアスタイルの布フィルターを使ってコーヒーを入れる。フィルターは何度も使え、ゴミも出ず、自然に優しい。

まだ、かずら橋への入場者もなく、この誰もいない大自然の中、川まで下りて淹れたてのコーヒーを贅沢に楽しむ。 

そして、朝食を作りに戻る。朝食にも祖谷の地元の食材を準備してきた。東祖谷雑穀組合という地元の団体が開発した「やつまたパンケーキ」だ。「やつまた」とは祖谷で伝統的に作られている雑穀で、ミネラルなど栄養価も高いスーパーフード。パンケーキミックスには祖谷どうふのおからも入っている。また、祖谷産のはちみつとブルーベリーもいただいた。 

女子受けしそうな、かわいらしい朝食となったが、雑穀パンケーキの素朴な風味がとても良く、またボリュームもあり大満足だ。 

さらに秘境の奥へ 

朝食をとった後も、せっかくなのでこのエリアをもっと楽しもうと、奥祖谷二重かずら橋から丸石山まで登ってみることにした。 

このトレッキングは、3つの部分に分けることができるが、山に慣れていない人や、一人の場合は、はじめの部分だけを登って、そこから引き返してくることをおすすめする。 

はじめの部分は、なだらかではないが、それほどきつくないので渓流をながめに来るのに最適。足元の石に気をつけながら登る。ロープの設置のあるところは、きちんとロープをつかんで安全に進むこと。川に下りることもできる。深い山の中で川に入ってみるのもなかなかできない体験だ。この部分は、「国体橋」までで、片道約30分。 

二番目の部分は「国体橋」を渡っていく。この後は急峻で、トレイルが分かりにくい場所もあるので、一人の場合や山登りの経験が浅い場合、「国体橋」のところで引き返してくることを勧める。 

この二番目の部分は8090分、ジグザクに急斜面を登る。きついため、悪天候では行かないこと、そして十分な水分を持参すること。 

尾根まで登って、そこから尾根沿いに行くと「丸石避難小屋」がある。ここには水もトイレもないので注意。 

三番目の部分は、丸石避難小屋から尾根沿いに30分。剣山と次郎牛を望む、標高1683mの丸石山に到着。パノラマで剣山系を見渡せるスポットだ。 

こうして、奥祖谷二重かずら橋キャンプ場に戻ってきた。トレッキングは大分時間かかってしまい、疲れたので、キャンプサイトにハンモックを吊って少し昼寝をした。 

この、奥祖谷二重かずら橋キャンプ場の特別なところは、秘境の大自然の中なのに誰でも楽しめるところだ。キャンプが初めてでも、設備が整っているため、安心して子供連れの家族でも行うことができる。今回のソロキャンプでは、秘境を満喫することができた。 

奥祖谷二重かずら橋 

https://miyoshi-tourism.jp/spot/okuiyanijukazurabashi/

旅の宿 奥祖谷(祖谷ごうしいも、やつまたパンケーキ販売) 

https://www.okuiya.jp/

(取材・文・写真:ショーン ラムジー) 

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