渓谷の隠れ宿 祖谷美人 パート3 自慢のそば レストランのこだわりの味 

2023.02.05

特集

秘境祖谷。人里離れた美しい自然とそこで営まれる昔ながらの暮らし、そして様々な伝説を求めて、四国の中でも特別な場所として国内外から多くの人々が訪れる地域だ。
そんな山奥の宿を求める方に人気の、代々祖谷で暮らす家族が営む温泉宿を紹介する。

【前回の記事はこちら】
渓谷の隠れ宿 祖谷美人 パート1 祖谷川を見下ろす秘境の宿
渓谷の隠れ宿 祖谷美人 パート2 時代と共に変化をつづける谷口さん一家

徳島県三好市祖谷 蕎麦から始まった「祖谷美人」 祖谷渓を一望できるオープンデッキも併設

元々は1975年(昭和50年)に開いたお蕎麦屋さん「祖谷美人」。もちろん、今でもお蕎麦は自家製だ。
祖谷美人の宿、レストラン、そして更に祖谷の他の施設へも祖谷そばを提供している。 

宿泊客への食事の他に、ランチなどレストランでも名物の祖谷そばを味わうことが出来る。

レストランの建物も古民家を思わせるデザイン、内装も落ち着いた和が感じられる。

バルコニーでも食事をとることが出来るが、ここからの眺めは絶景。
見下ろすと祖谷川、そして祖谷の小便小僧の像にアイデアを得たのか、小便狸の像がある。
このユーモラスな狸の様子に誰もが写真を撮っているようだ。 

味わい深い打ちたての祖谷そばが楽しめる 地元で愛され続けるレストラン

祖谷美人の祖谷そばは、打ちたて、ゆでたての贅沢な手打ちそば。

祖谷の切れやすい短い蕎麦をアレンジして、すっとのど越しの良いオリジナルの麺にしている。
少し甘さのある、素朴な味わいだ。 

シンプルにかけそばでもおいしいが、山菜やいのしし、キジ肉、大きなお揚げのボケ揚げなど、様々な具の入ったそばが用意されている。 

「そば米雑炊」もメニューにはあり、こちらはそばの実を茹でて出汁に入れたもの。
祖谷では、お祝いや特別な時の1品として出される。 

また、セットメニューや丼ものなどがあるのも、地元の人もよく訪れるレストランだからこそ。 

あめごやでこまわしなど 地元の良質な素材であふれたメニュー

レストランでは気軽に出来立ての祖谷の郷土食を味わうことが出来る。
はじめに「あめご」。炭火でじっくりと焼かれている。その焼き加減と新鮮な川魚の淡白ながらも深い味わいに、何匹でも食べることが出来そうだ。 

祖谷では囲炉裏で焼いた「あめご」や「でこまわし」も昔からの郷土食だ。 

「でこまわし」は、そば団子、石とうふ、こんにゃくを串に刺し、甘いみそだれをつけてじっくり焼いたもの。
香ばしく、おやつにも良い。 

この「でこまわし」は宿の部屋の鍵のキーホルダーにもなっている。
くすりと笑ってしまうような遊び心のある祖谷ならではの鍵だ。 

新鮮なさしみこんにゃくに舌鼓 作りたての祖谷のこんにゃくも絶品

また、祖谷美人ではこんにゃくも自家製。取材時にはちょうどコンニャクイモが届いたところだった。

これからすりおろして成形、茹で、と手間をかけて作る。 

新鮮でないと食べる事の出来ないさしみこんにゃくにも挑戦したが、本当に作りたてで食感も良く、こんにゃくの臭みがなくほのかに甘みも感じられる。こちらもお代わりしたいぐらいだった。 

秘境祖谷で渓谷を眺めながらゆっくりと温泉に浸かり、そして郷土料理を心行くまで味わいに、ぜひ訪れて欲しい宿だ。 

【関連記事】
>>アレックス・カー氏が耳打ちする「本当は教えたくない祖谷の旅」 vol.1

【詳細情報】
渓谷の隠れ宿 祖谷美人
https://miyoshi-city.jp/spot/渓谷の隠れ宿祖谷美人
〒778-0102 三好市西祖谷山村善徳9-3
TEL:0883-87-2009
HP】【Facebook

(取材・文: ショーン ラムジー、写真: ショーン ラムジー & 祖谷美人 )

オススメ観光情報

  • 祖谷渓・小便小僧

    く切り込んだV字型の渓谷には、エメラルドグリーン色の祖谷川が流れ、上から覗き込めば、目がくらむほどはるか下に見える。秋には谷底から峰まで全山紅葉し、自動車、バスからも眺められる。
    祖谷川沿いの断崖には、祖谷街道の開設工事で残った岩が突き出ており、岩の上には、かつて地元の子供達や旅人が度胸試しをしたという逸話をもとに作られた小便小僧が立っている。

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  • ひの字渓谷

    深い山々に囲まれて、祖谷川が悠然と蛇行する「ひの字渓谷」。
    祖谷街道沿いからその全景を見ることができます。
    にし阿波お勧めビューポイント100選に選定されており、春は新緑に包まれ、秋には谷底から峰までが全山紅葉する絶景ポイントです。

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  • 祖谷のかずら橋(国指定重要有形民俗文化財)

    平家一族の哀話を秘める、秘境“祖谷”にあるかずら橋。シラクチカズラ(重さ約6トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14m。 昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設であった。3年毎に架替えが行われる。(国指定重要有形民俗文化財)

    ◎かずら橋ライトアップ
     毎日19:00~21:30の間かずら橋をライトアップします(渡橋はできません)。
     闇夜の中に照らされた「かずら橋」が幻想的です。

    ◎平家伝説の残る「琵琶の滝」がすぐそばです。
     祖谷のかずら橋を渡ってすぐに左に50mくらい行くと、落差約50mの滝が現れます。

    ◎川遊び:「琵琶の滝」を更に50mくらい行くと遊歩道があり、そこから川辺に下りて遊べます。

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