小歩危再発見 パート3 三好が誇る自然美
2022.12.19
四国のまんなか、大歩危小歩危。吉野川の激流がつくった美しい渓谷だ。
この特集では、そのうちの小歩危エリア、パノラマの眺めのビュースポットやこの地域を発展させた吊り橋、世界クラスの急流ラフティングなどを紹介する。
【前回までの記事はこちら】
>>小歩危再発見 パート1 徳島県三好市の景勝地
>>小歩危再発見 パート2 吉野川にかかる橋からの息をのむ眺め
小歩危ダム計画を阻止 吉野川の自然を守った人々
小歩危峡の岩々に囲まれた渓谷の景観は、四国の自然を愛でるには絶好の場所だが、今こうして私達が景色を楽しむことが出来るのは、地元の人々の努力があったからこそである。
1950年代初め(昭和25年頃)、政府は高さ126m・貯水容量3億750万トンにもなる四国最大の多目的ダムの建設を計画していた。
この巨大なプロジェクトで、灌漑、洪水調節、水力発電などで長さ35kmにわたるダム湖は、小歩危のみにとどまらず隣接する大歩危峡と高知県側も含め、渓谷のほとんどの部分が水没する結果となっていた。
20年間にわたり協議が続けられたが、県や地域住人などの反対もあり巨大ダムの計画は何度か縮小され、そして結局は合意することなく、1971年(昭和46年)にこのプロジェクトは永久に中止と決定された。
その後、大歩危小歩危は剣山国定公園に指定された。
過度の開発から保護され、後世のための美しい山々と渓谷が保護されることとなった。
小歩危峡の荘厳な眺めが堪能できる三好の新・絶景スポット「小歩危展望台」
小歩危峡の広大なパノラマを楽しむには「小歩危展望台」がおすすめ。
国道32号線から車で数分上ったところにある、手軽に行くことのできる展望台だ。
この展望台は最近建てられたものだ。吉野川から標高150mほど上がった山の中腹にあり、南を見下ろす展望台からは山々に挟まれた小歩危峡の岩々と美しい色の川を眺めることが出来る。
四季折々に違った景色が広がる小歩危峡。
もしかしたらダムに水没したかもしれないと思うと、尚更に見下ろしているこの渓谷が大切なものに思えてくる。
小歩危展望台は常時オープン、無料。
アクセスは、国道32号線から「とびの巣峡」方面の県道271号線に入る。
県道271号線を約700m進み、「小歩危展望台」の看板のカーブをU字に右折してそのまま細い道を上がる。
600mほど進むと右側に展望台、すぐ先左には駐車場がある。
日本一の激流・吉野川 水・景色の美しさと共に楽しむラフティング
もっと小歩危峡を楽しむには、日本で1番とも言われている激流ラフティングで直接吉野川を体験することだろう。
小歩危峡の激流は全国的に有名なだけではなく、世界的にも認められたラフティングの聖地。
2017年(平成29年)には、この渓谷で世界ラフティング選手権も開催され、世界各国から多くの選手が参加した。
エメラルドグリーンの美しい色の吉野川の中に入り込み荒々しい急流を進むラフティングは、ここでしか体験できないものだろう。
川岸には巨大な奇石がそびえたち、岩に打ち付けられた川の水は白い波を立てる、まるで別世界にいるような気分にさせてくれるだろう。
この地域には、半日コースまたは1日コースの他、カヤック、サップ、キャニオニングなど様々な川のアクティビティがあり、フレンドリーなリバーガイド達は川遊びのプロとして評判も高い。安心して冒険ができる。
ラフティングのシーズンは、4月~11月上旬。幻想的な小歩危峡での体験は忘れられない思い出となるだろう。
【関連記事】
>>【三好人】“大歩危・小歩危”の観光拠点の立役者|WESTWEST『西村洋子』さん Part-1
>>徳島の暴れ川”吉野川”を拠点にラフティング世界大会へ挑戦!THE RIVER FACE
ラフティング詳細はこちら
https://miyoshi-city.jp/spot/?category=activity_kawa&area=ooboke-iya
三好市観光公式サイト 大歩危祖谷ナビ
https://miyoshi-tourism.jp/spot/oobokekyo-kobokekyo/
(取材・文: ショーン ラムジー、写真:大歩危祖谷ナビ & ショーン ラムジー)
-
松尾川温泉/しらさぎ荘
源泉掛け流しの温泉が魅力。
また隣接の自炊湯治の宿しらさぎ荘ではリーズナブル価格で軽食も取れる他、
自炊をして楽しむ事も出来ます。 -
賢見神社
海抜400mの大渡峯に位置し、仁賢天皇の御鎮守である。
精神病、ものの気(け)つき・五穀豊穣・海上安全の守り神であり、県内外に多くの信者をもつ。 -
ラフティング☆sirius-シリウス
スタッフに日本選手権優勝者がいるなど、ベテランガイドがツアーガイドをしてくれます。
あわせて読みたい
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part3】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.27
-
『四国のへそ』と呼ばれる秘境の町「徳島県三好市」で桜が見頃を迎えました。
長く続いた寒い冬も終わり、徳島県三好市にも春がやってきました。 山間の至る所で桜が満開となってきました。 見頃となった三好市の桜をお届けいたします。 【関連記事】 >>【202
2023.03.27
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part2】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.26
-
世界のロープレスキューが三好に集結!「GRIMP JAPAN2023」レポート【part1】
3月17日から19日までの3日間、徳島県三好市でロープレスキューの安全性や迅速性を競う、国内最大規模の競技会『GRIMP JAPAN2023』が開催されました。 国内18チーム、海外6チームの計24
2023.03.25
-
徳島県三好市 大歩危をゆく パート2|渓谷を満喫 食事、アクティビティ、そして妖怪!?
四国を流れる吉野川は、徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷をつくり出している。 国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪
2023.03.21
-
徳島県三好市 大歩危をゆく パート1|吉野川の壮大な渓谷
四国を流れる吉野川は徳島県西部の険しい山々を通り抜け、大歩危峡と呼ばれる雄大な渓谷を作り出している。 国の天然記念物に指定されている名勝で、美しい景色だけでなく伝説あり、アクティビティありと、訪れる
2023.03.20