武家屋敷 旧喜多家 パート2 阿波国 祖谷山の政所

2022.05.02

特集

様々な伝説が残る三好市祖谷地方だが、ここには実際に記録の残る由緒ある建物も多く残っている。今回は築250年を超える武家屋敷を訪ね、その史実と屋敷近くの伝説とを紹介する。

【前回の記事はこちら】
武家屋敷 旧喜多家 パート1 秘境祖谷で最も大きい屋敷を訪ねる

移築修復を経て約250年前の面影を今に伝える祖谷の武家屋敷

喜多家屋敷は1763年建造。現在の建物は同集落より、現在の場所へ1990年に移築修復。

2019年には茅葺き屋根の葺き替えも行われ、その立派な姿を今に伝えている。

この喜多家の始まりは1586年に遡る。

蜂須賀公の阿波入国に対する祖谷山一揆 動乱の時代

16世紀終わりごろ、四国を攻めた豊臣秀吉により蜂須賀家政に阿波国が与えられ、それまで祖谷を治めていた土佐国の長曾我部元親は失脚。

従来の権利を失うことに反対し、祖谷では一揆が起こった。

祖谷を統治した喜多家の歴史 喜多家の祖 北六郎三郎

1586年、蜂須賀家政から命を受け、天正の祖谷山一揆を鎮定したのが北六郎三郎。以降、姓を喜多とし、喜多六郎三郎の子・安右衛門は祖谷山の初代政所に任じられ、祖谷山を治めることになった。

以降、喜多家は代々、祖谷の統治を近年まで行ってきた。統治は明治4年まで続き、昭和の初めまで広大な土地を所有していた富豪であった。 

奥祖谷の中心だった大枝集落

かつてはこの大枝集落は役場、警察、学校、専売所、牛市などのある奥祖谷の中心地でもあった。

しかし、奥祖谷にも道路が通るとともに、祖谷の中心は山の上の大枝集落から谷へ下り、現在は東祖谷の中心は国道沿い、京上集落となっている。

パート3では、武家屋敷周辺の平家伝説や樹齢800年の鉾杉を紹介する。

武家屋敷旧喜多家

https://miyoshi-tourism.jp/spot/bukeyashikikitaclan/

営業時間 9:00~17:00
定休日 12月1日~翌年3月31日 (冬季休業)
料金 大人:310円、 小人:100円
TEL 0883-88-2040

〒778-0204 徳島県三好市東祖谷大枝43

(取材・文・写真: ショーン ラムジー) 

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