日本三大秘境のまち

西村洋子さんは、大歩危の観光拠点Riverstation WEST-WESTを経営する起業家。

Part-2では西村さんがWEST-WESTを起業するまでと、徳島県三好市の恵まれた自然を生かした施設の紹介、そして魅力いっぱいの三好で新しいことを発信し続けたいという西村さんの熱い三好愛を語ってもらった。

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＞＞【三好人】“大歩危・小歩危”の観光拠点の立役者｜WESTWEST『西村洋子』さん Part-1

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四国の真ん中、徳島県大歩危の観光拠点施設「West-West」の立ち上げ

徳島県三好市の観光エリアである「大歩危・小歩危」。そこにはWEST-WESTというドラブインエリアがあり、コンビニエンスストアからお土産の販売店、地元の祖谷そばを食せる「もみじ亭」、徳島ラーメンの「にし利」、さらにはアウトドアグッズを扱う「モンベルルーム 大歩危店」に加え、ラフティングカンパニーである「ライオン・アドベンチャー」が拠点を構える。

もともと別企業が運営していた施設を、建設業を営む旦那さんと地域を盛り上げたいとM＆Aで事業継承。

事務手続きや片づけ、地ならしや整地、人員整理、建設等を経て新しい体制を整えるまでには３年を要した。現体制以前に直営していたコンビニエンスストアでは、クリスマスケーキ西日本一位の販売数を記録。運営していた全店舗合わせて年間約3億円の売上があったそう。

直接店舗を運営してたときの悩みの種は働き手の確保。特にラーメン屋では顕著だったそう。
「みんなよく頑張ってくれるコばかり。けど寿退社が続いたりもあってねぇ」

現在のWEST-WESTは、西村さんの会社が運営する3店舗とテナント店舗（店舗を貸して家賃収入を得る）を分けた形態に落ち着いた。

人と人を繋ぐ　三好市大歩危ならではの大自然を生かしたクイックジャンプやツリートレッキングを開設

自身のことを「おかみさんみたいな感じ。仕切りたがりなんよ」と認める。人と人を繋げたり、物事をさばくのは大得意。

事業は決して順風満帆だったわけでなく、やってみたカフェがうまくいかず撤退したことも。

「うちは立ち寄り施設。三好市以外から来てくれる方のほうが多い。来てくれる方の地域にはないものをココで体験できたら」と考えた。

海や山がある地域でも、これだけの渓谷は日本でも数えるほど。
この美しい渓谷をそのまま活用・体験できるとして、ジャンプ施設や渓流のすぐ脇で楽しめるツリートレッキングをはじめた。

WEST-WESTの「クイックジャンプ」。バンジージャンプよりも小規模で、自然落下ではなくスピードを抑制。バンジージャンプよりも気軽に楽しめる施設だ。

ツリートレッキングは小歩危の大自然を目の前に眺めながら、木々の合間に設置された迫力満点のアスレチック施設が好評。ハーネスを装着するので落下の心配がなく、小さなお子さんでも楽しめる（※要身長110cm）。

平家集落の古民家「もみじ亭」を残したのは、自身のルーツが祖谷だったから

WEST-WEST敷地内には、祖谷の古民家を思い起こさせる建築物「もみじ亭」がある。前所有者時代に東祖谷から移築され「民俗資料館」として利用されていたものが、事業継承した際にそのままついてきたそう。

大歩危からさらに山中に入った所に位置する東祖谷は父親の出身地なので自身のルーツでもある。建物の損傷が進んでいたが、つぶすのは惜しいと約2,000万円かけて修繕。祖谷そば屋として再生した。

もみじ亭が提供する祖谷そばは「ぼそぼそ」とした食感で、祖谷の伝統的な食感を継承している。箸では切れないほどの硬さの岩豆腐やこんにゃくといった特産品とあわせて好評だ。

WEST-WESTの核店舗ともいえる敷地内中央にある「モンベルルーム 大歩危店」　限定の吉野川「激流グッズ」は人気商品

もともとモンベル直営店が計画されていたそうだが、紆余曲折あり西村さんの会社がフランチャイズとして運営。
「直営してもらってお家賃もらって、借金返済にあてるつもりだったんやけどなぁ」と笑う。

海で遊ぶ人には川遊びもおすすめ　大人から子供まで遊べる吉野川はリバーアクティビティのメッカ

「しょっぱいし塩水の海で遊ぶのってなにかと大変やと思うんです。日焼けもすごいし」と西村さん。取材に同行した女性記者が大きくうなずく。

「川は手軽に楽しめる。海で遊んでる方には川も推奨したい」
みんなでワイワイ楽しむのもいいし、ひとりふたりの少人数で楽しむのもいい。ラフティングを中心に、川遊び、ウォータースポーツ、ジオを楽しむ三好になってほしいと考える。

「小歩危の渓谷で『ここではボートに寝転がって空の景色だけを見ましょう』ってリバーガイドさんもいるんです。渓流の音、鳥の声、空。異次元の世界です。みんなにも体験してもらいたいなぁ」

三好市が誇る西日本第二の高峰剣山までの送迎付き登山ガイドサービスや体験型観光、官民連携で考える

話題は剣山にも及んだ。

剣山は標高1,955ｍ。日本百名山のひとつで麓から中腹までリフトで結ばれ、リフトを降りてから徒歩1時間ほどで頂上まで登れる。比較的お手軽に登山と絶景を楽しめるスポット。

剣山は山深い場所にある。道路事情は改善されつつあるが、東祖谷地方に入るとすれ違い困難な狭路をたどる必要がある。

「剣山の場合やっぱり交通手段が問題よね。（剣山の）麓までを官民連携でリーズナブルに移動できる手段があったらええと思う。１年くらい社会実験的にやれないだろうか」

若い人は自分で運転して山登って降りて～って一日で全部やれるけど、年配になるとなかなかそうはいかない、と西村さんが指摘する。
小型のワゴン車で移動から登山ガイドまでついたサービスの可能性も模索している。

徳島県を「行ってみたい県」に　そして三好市地域全体が豊かになってほしい

西村さんが事業と並行して地域振興活動を熱心に行うのは根底では結びついているのかも。

「WEST-WESTが利益を得るためにも、三好地域全体が豊かにならないといけない」「徳島県が『行ってみたい県』にならんと。そうしないと来ないでしょ、ココまで」

大歩危の渓谷美や、日本屈指のリバースポーツスポット吉野川、自然の宝庫剣山…三好にある宝物。これらをどう磨いて、つなげて、結びつけるか

以前の三好は井川池田IC（徳島道）を降りて、大歩危まで何もなくポッカリ空いたようなイメージがあったそう。

現在は、ICから車で5分の池田湖にウェイクボードや水遊びを楽しめるウォーターコンプレックス。小歩危にクイックジャンプ（WEST-WEST）やラフティング、大歩危に従来からの遊覧船のほかジビエバーガーを楽しめる場所もできた。
WEST-WESTを拠点にバイクのツーリングやサイクリングを楽しんでもらっても、とも。

「ひとつの線（導線）ができたことによって、観光客からは吉野川沿いにはずっと何かしらあるやん、さてどこいこうかな…って楽しみがでてきた

大歩危は『遊覧船だけ』というイメージがあるみたい。でもそんなことなくて、今はいろいろある。もっとアクティビティを増やしたい」

西村さんは何度も「新しいことをして、発信していかないと」と強調。

「三好には宝物があるんよ。これらをどう磨いて、つないで、結びつけるかやね」とこれからの課題を語ってくれた。

インタビューの終わり際、西村さんは「時間足りんやろ？一晩ないと語りきれんのよ～」と笑った。

【まるごと三好観光ポータルメディアを見た】で、三好の逸品「ゆずシャーベット」をサービス。

徳島県三好市の大歩危・祖谷を訪れた際に、WEST-WESTに立ち寄ってみては如何だろう。期間中に「もみじ亭」で食事をされた方には「ゆずシャーベット」をプレゼントしてくれるという太っ腹なサービスを西村洋子さんが提供してくれた。
※「ゆずシャーベット」のサービス期間は2022年3月末日まで

RiverStation West-West
〒779-5451 徳島県三好市山城町西宇１４６８−１

※1月末より営業時間が11:00〜15:00となります（定休日：水曜日・木曜日）
天候による臨時休業もありますので、事前にお電話でご確認ください。

• TEL 0883-84-1117

URL：http://west-west.com
Facebook：https://www.facebook.com/ooboke.westwest/
Instagram：https://www.instagram.com/riverstation.west_west/

Part-1の記事はコチラ

（取材・写真：生野明弘　文：竹原司朗）