天空を駆ける!大歩危国見山スカイレース パート1 徳島県三好市
2021.12.14
徳島県三好市、大歩危峡エリアで、11月28日、初となるスカイランニングレースが行われた。山深く急峻な古道を通り、そびえたつ国見山頂上を周回する過酷なコースで多くのランナー達が競い合った。
晩秋の朝、吉野川を見下ろす会場に集まった参加者は49名。四国近隣のみではなく関東からもランナー達がこのレースへ、体力の限界に挑戦すべくやってきた。
レースのスタート・ゴール地点はJR大歩危駅から上がってすぐ近く。会場から見下ろすと吉野川のエメラルドグリーンと険しい岩々の峡谷が目に入る。ここからランナーたちは急峻なコースを国見山の頂上まで駆け上がり、また戻ってくるという壮大な12.8kmのチャレンジに乗りだした。
空を駆ける スカイランニングレースとは
スカイランニングレースは世界中で開催されている大会だ。競技者は急峻な山を駆け上ったり、駆け下りたりする。マラソンのような従来の長距離ランニング競技とは異なり、距離だけではなく、垂直距離や標高差に重点が置かれる競技である。
スカイレースでは、コースの全長や、高度の増加によって競技が分かれている。また男女や年齢層別のカテゴリー別にもなっている。
レースの舞台となる国見山は世界のスカイレースコースに勝るとも劣らない急こう配
2013年に日本スカイランニング協会(JSA)が設立され、近年、四国でも大会が行われるようになった。三好市は四国でも急峻な山々がある地域だ。まるでこのスカイレースのためにあるような地形。コースに選ばれるのも納得である。
標高差1436m、四国屈指の急峻な古道を走る 大歩危国見山スカイレースの過酷なコース
この大会はJR大歩危駅のすぐ近く、標高約200mから始まる。ここからのコースは、標高1409mの国見山頂上まで5km、急峻な山中を、昔の人々が行き交った「古道」を駆け上がる。これは標高差1200mもの高さを上り続けることになる。
山頂からは別のコースで降り、途中からは登ってきたコースに戻り、また標高差200mの上り。
その後、また元のコースに戻り、JR大歩危駅付近のゴールへと向かう。
コース全長12.8km。累積の上り標高差は1436mである。
「通常スカイレースの距離は20km以上、けれどこの国見山コースは、急峻なため距離が特別になっている。」JAS代表、松本大さんはそう語った。スカイランニングのベテランも、この三好の山々の急峻さには驚きの様だ。
地元サポーターからの熱い歓迎 ウォータースポーツだけでなく山岳スポーツも魅力の三好市
競技開始の前、安全祈願から始まり、続いて開会式も地元の人々の歓迎とともに行われた。
サポーターの一人、駅のすぐ隣、歩危マートの山口由紀子さんは「自分が住んでいる所、そして毎日眺めている国見山。そこに大勢の人が来てこんなイベントがあるなんて、まるで夢のよう」と喜んで話し、ほら貝を吹き鳴らした。
集まった地元の人々も、太鼓を鳴らしたり、焚火を起こしたり、ゆるキャラも現れ、にぎやかな開会となった。
四国スカイランニング協会代表、杉本雅昭さんも「こんなに地元の歓迎、サポートがあるのはすごい。競技にももっと力がはいる。」と歓迎を喜んでくれていた。
また、ランナー達を歓迎するのは、近隣の住人だけにとどまらない。三好市、高井美穂市長も開会式であいさつ後、レースの開始を見守っている。
「三好市はラフティングなどウォータースポーツが盛んだが、山での競技も行われるようなって大変うれしい。ぜひ楽しんで欲しい。」と笑顔を見せている。
朝9時、競技開始! スカイランナー達の挑戦が始まった
競技者たちはスタートの準備を行っている。スタート前の緊張が伝わってくる。女性部門が先に始まる。15秒ごとに一人ずつ走り始めた。
太鼓が打ち鳴らされ、ほら貝が響き渡り、競技スタート!
はじめからいきなり山へ入っていく上りがはじまる。
パート2では、過酷なコースを駆け抜けるレース内容について紹介する。
【次の記事はこちら】
>>「天空を駆ける!大歩危国見山スカイレース パート【2】」 標高1490mの山頂まで古道をかけ上る!
>>「天空を駆ける!大歩危国見山スカイレース パート【3】」 12.8kmを駆け抜けたスカイランナー達の結果発表!
大歩危国見山スカイレース
https://www.outdoor-sports.info/kunimiyama-skyrunning
日本スカイランニング協会
https://Skyrunning.jp/
四国スカイランニング協会
https://human-power.wixsite.com/shikoku-Skyrunning/field
(取材・文:ショーン ラムジー、写真: ショーン ラムジー&生野 明弘)
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歩危マート
地元でも人気の高い、ぼけあげや祖谷こんにゃく、祖谷とうふなどたくさんの商品を取り扱うお店。
また、地場産の新鮮な食材を豊富に取り揃えています。 -
大歩危峡まんなか
レストランやお土産品売り場があります。
また、日本列島の成り立ちが分かる貴重な場所として、国指定の天然記念物、名勝にも指定されている吉野川で
遊覧船に乗る事も出来ます。 -
道の駅大歩危(妖怪屋敷と石の博物館)
店内には妖怪屋敷や石の博物館、お土産売り場などがあります。
また、地元で獲れた食材を活かしたジビエバーガーなども販売しています。
テラスに出て食べる事も可能です。
妖怪屋敷内にて、全天候型の謎解きゲーム「妖怪村の秘密」がオープンしました。
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