【選ばれ続ける理由とは?】民宿祖谷八景の秘密|農家民宿 祖谷八景・西岡孝明さん①

2021.07.01

特集

口コミで広がったええ宿「祖谷八景」の噂

室内に足を踏み入れると立派な梁が姿を現す。現在では手に入らないという巨大な梁は何代にも亘って人々の暮らしを支えてきた。

棟札(建物の建築、修繕の記録を記し建物内部の高所に取り付けた札)には享保12年(1727年)に建てられたと記され、約300年のあいだ三好市東祖谷の秘境で歴史を重ねてきた証である。

今回は農家民宿「祖谷八景」を紹介しながらご主人である西岡孝明さんの記事を送る。
農家民宿「祖谷八景」のご主人西岡孝明さんは、自分が生まれ育った歴史ある古民家を民宿へと変化させた。

登山客をターゲットにした料金設定と、西岡さんのおもてなしにより多くの宿泊客が秘境の宿へと足を運ぶ。室内の一角には、今の技術では修復できないほどの細かい細工が施された障子があり、多少傷んでいるものの歴史を感じさせるインテリアとして残っている。風情ある古民家宿だ。
宿泊できるのは1日1組。静かに時を過ごすことができる。急峻な山に囲まれた土地が静寂さを一層引き立たせ日常の喧騒を瞬く間に忘れさせてくれる。営業期間は4月~11月。全国、海外からお客さんが集まる三好市東祖谷のスポットだ。

宿泊者の約5割がリピーターという一度泊まるともう一度泊まりたくなる宿には20回以上訪れるハードリピーターさんもいるらしい。東祖谷のええ宿の噂は口コミで拡がりたくさんの人が、遠路はるばる泊りに来る。お客さんがお客さんを呼ぶええ宿だ。

人が人を呼ぶ西岡マジック

宿のご主人西岡さんが一番大事にしているのは【真心】だ。

「短期的な利益を追求すると2~3年で潰れてしまう、お客さんに精一杯の誠意を尽くして人間関係をきちんと作り上げ信頼を得ることができれば10~20年続けることができる。」と語る西岡さんの真心を込めたおもてなしがもう一度泊りたいと人を惹きつける大きな理由だ。
西岡さんで20代目となる代々受け継いできた家を自分の代で潰してしまうのは申し訳ないという思いと、もったいないという思いから何か保存する方法はないかと模索していた。

民宿をしようと決断したのは、東祖谷の落合集落が重伝建(国選定重要伝統的建造物群保存地区)に選ばれるという話を聞いたからだ。この落合集落が一望できる展望所まで「祖谷八景」からは歩いて数分で行くことができる。
開業当初は周りからこんな田舎で宿をやってもお客は来ないと言われたが、過去の経験から必ず人が来るという絶対的な自信があった。郵便局に32年務め保険・営業の担当だった西岡さん。

契約者の方が困っていれば身銭を切って全国を周り対応するなど【真心】を込めた誠意ある仕事は、お客さんの信頼を得て契約の数に現れていった。まさに現在の「祖谷八景」のようにお客さんがお客さんを呼んできたのだ。そんな手腕を買われ売り上げの傾いていた宿の支配人を任せられることになる。

夢の実現へ動き出す

支配人の経験などは無く、全て現場で学んでいった西岡さん。当時はかなり大変だったと語る。ゼロからの支配人業だったが郵便局時代の経験を活かし集客、売上ともに増加させ結果を出した。

そのまま残ってくれないかという話もあったが、自分の夢(祖谷八景)があった為その話を断り祖谷八景の改修に着手する。改修のための資本金などは無く費用は個人で捻出していった。築300年の建物を改修しながら少しずつ開業へ進み、構想から開業までに5年の月日が流れていった。
しかし、開業しようとしたタイミングで同じ東祖谷に新しい宿ができると知った西岡さんはターゲットを変えるという戦略を取る。

観光客をターゲットにすると新しい設備の整った宿には太刀打ちできないと思い舵を切ったのだ。

秘境宿のSNSを見てみよう!

宿泊するだけでも歴史と秘境を感じられる祖谷八景。ご主人西岡夫婦のおもてなしでお客さんのレビューは高いものばかりだ。宿から見える日々をSNSで見ることができるのでそちらも要チェック。希望者を対象にしたそば打ち体験、ひらら焼き体験等の体験プログラムも用意している。

農家民宿 祖谷八景

住所:徳島県三好市東祖谷中上66-2
電話:0083-88-2358
090-4789-6259

Webサイト:http://www.ctm.ne.jp/~taka58/
Facebook:https://www.facebook.com/okuiya

 

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