吉野川“リバーガイド”の戯れ 〜リバーボード編〜

2020.11.30

特集

吉野川の4月~10月のシーズン中は、ほぼ毎日川にいるリバーガイドたち。休日は何をするか!?とたずねたらやはり「川に出ていく」という答えが返ってくる。ラフティング、カヤック、SUPなど水と遊び戯れることが身近にある吉野川のリバーガイドたちの日常だ。

透き通っていて底まで見える水面に浮かび癒しを感じる、スリルと興奮を味わうべく激流に突っ込む、川を眺め川を下るラインをイメージし、スキルアップに勤しむ新人リバーガイド。いつでも誰かしら川と戯れているのが吉野川の素敵な一面。そんな川好きな人々を我々は敬意を込めて『川バカ』と呼ぶ。
つい先日も吉野川と戯れるリバーガイド、もとい『川バカ』の姿がそこにはあった。

ラフティングガイドを目指し広島から来た山下美岬さんだ。

吉野川でのラフティングを体験後、リバーガイドのボートをまとめるガイディングに憧れ、広島での仕事を辞め市内のラフティングサービス会社に就職した。現在はトレーニング期間を経てガイドとして活躍中だ。
「周りの先輩が川を楽しむ姿を見るのがうれしかった。そして、自分もその一員になっていることがうれしかった。」

トレーニング期間を終え、ガイドアップ後(単独でお客さんをガイドできるようになる事)はさらに川の魅力にはまっていった。

上流のホワイトウォーターを流れてくる彼女はヘルメットだけが水面に見え、身一つで流されている様相であったが、彼女の手元にはリバーボードと足元には足ヒレが付いており、複雑な流れを全身で感じつつ正確なラインを描いていた。パドル・ボートを介して川と戯れることはあるが全身で戯れるとはなかなかの『川バカ』である。いや、もはや変態だ。
一見無謀に見えるリバーボードの魅力を彼女に聞いてみた。

『新たな感覚との出会いでした。川を全身で感じていることに気づき、泳ぐことが苦手だったことを忘れ自然に楽しんでいました。波に思いっきり突っ込む感覚がストレス発散になる!!』
と楽しそうに話した後、体の使い方で動きが変わる繊細で深い遊びであることもしみじみと付け加えた。

リバーボードは手軽さが魅力である。推進力を生み出す大事な道具である足ヒレ(フィン)と進行方向を決めるハンドルの役割を果たす“リバーボード”が主な道具である。水を掴むようなバタ足が重要なため下半身の運動不足解消には最適!?もしくは少しハードかもしれない。。。

自分のやりたいことをダイレクトにできるため“ワクワク、ドキドキが増す”のがラフティングとの違いだと語る。『覚悟を決め強い気持ちを持って笑顔で波に突っ込む!!』ことが下るときのコツだという。まさに『川バカ』らしい答えである。

下った後は、楽し〜!の感情に包まれるのと空腹感が襲ってくる。結局食べ過ぎてしまいリバーボードで消費したカロリーを超えることはよくあるらしい。

まだリバーボード仲間が少ないらしく、みんなで下るのを野望!?としている彼女。『ぜひやってみてください!楽しいですから!』と話す様子は“冷たい水に入るのか”、、、という億劫な気持ちを軽くしてくれる。

(取材・文/ 中橋啓太)

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