「スポまち!長官表彰2022」受賞に際して 高井市長インタビュー【part3】

2023.01.06

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SNS等の活用で、自然に恵まれた環境に興味を持つ世界中の層へ徳島県三好市をアピール。

【前回までの記事はこちら】
>>「スポまち!長官表彰2022」受賞に際して 高井市長インタビュー【part1】
>>「スポまち!長官表彰2022」受賞に際して 高井市長インタビュー【part2】

施設を活かすための工夫も光った。開催するだけでも多数の来訪が確定する世界大会とは異なり、集客方法が重要になるが、ひと夏で1000人以上の施設利用者を記録した。

効果を発揮したのは、三好市独自のオウンドメディア「まるごと三好観光ポータルメディア」を利用したSNS等の発信だ。
情報伝達は、インターネットの普及により、誰もが同じ媒体に触れていたマスメディアから、各々が関心に合わせて発信・受信をするマイクロメディアの時代へと移っている。

高井市長も「最近は一方的に多くへアピールするよりも、興味のある方がアクセスしやすくすることで、訪れやすくなったり、広がったりしていく。中でも、画像の力がとても大きい。国の名勝指定がされている地域で、ウォータースポーツができる場所はなかなかない。世界中でそういう評価が高かったので、これからも情報発信で四季折々の景色を見せ、吉野川の美しさをアピールしていきたい」と自然に恵まれた環境に興味を持つ層へのアピールに手応えを感じていた。

スポーツの発展とまちの発展にWIN-WINの関係が出来上がり、全国に誇れる「三好モデル」へ。

現場では、三好市が推し進めるアウトドアスポーツのまちづくりを補完する立場として地域再生推進法人として認定を受ける、一般社団法人「地球のテーマパーク」が活躍している。

事務局長の薄田克彦さんは、世界ウェイクボード協会の元副会長でもある。吉野川の環境に惚れ込んで、17年に東京から三好市に移住した。
「ウォータースポーツをやるには、こんなに素晴らしい環境はない。でも、地元では水害のイメージがあり、水遊びをする文化がなかった。市民に価値を分かってもらえるものにしないといけない」と話す薄田さんは、さらなる発展のために2つの未来像を描いている。

1つは、ウォータースポーツを地元の子どもたちが関わるものにすること。
かつて、三好市でスポーツと言えば、甲子園球場で活躍した池田高校の野球部が有名で、まちを挙げて応援で盛り上がりを見せた。
日本あるいは世界で活躍する「地元の星」がまちから出現することで、地域を元気にしていける可能性があると信じている。

もう1つは、世界の観光地では必然な存在であるが、三好市の地球の躍動から生まれた自然環境の中で楽しみながら感動体験を訪問者にプロデュースできるコンシェルジュの育成だ。
三好市でアウトドアスポーツに関わる人々の仕事として発展させる狙いも兼ねたアイデアだ。
「人が人を呼ぶ、リバータウンが理想。スポーツの発展と、まちの発展にWIN-WINの関係が出来上がることで、本当の意味でのスポーツツーリズムによるまちづくりになる」と言葉に力を込めた。

スポーツ庁による表彰は、継続的に観光消費や交流関係人口の拡大を図るアイデアが評価されたもの。
イメージを実現させ、全国に誇れる「三好モデル」となることが期待されている。

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