1パック150円のカードゲームが教えてくれた人生で大切なこと。Part1|三好市職員 西涼太さん。

2021.08.11

三好人

あなたは、コンビニの中央の列に子供のお菓子などと一緒に売られている様々なキャラクターが描かれたカードを一度は見たことがあるだろう。もしかしたら子供の頃に近所の友達と一緒にカッコいいカードを自慢しあった方もいるはずだ。そんなカードゲームにハマった西涼太さんは三好市職員として地域の為に働きながら、地元の子供たちにカードゲームを教える先生としても活動している。

カードゲームを始めたきっかけ

小さい時にどうやって友達を作ったか覚えていますか。気づいたら友達になっていてあだ名しか知らないなんてことありませんでしたか。

西さんは小さい頃からよく外で遊ぶ子供で、物心ついた時には三好市内にある近所の広場でサッカーや野球をして遊んでいたそうです。友達が多く、外で日が暮れるまで遊んだり家の中でTVゲームをして遊んでいました。

子供の頃はおもちゃやゲームを持っている友達の家に集まりやすかったですが、西さんが友達と遊ぶことを助長してくれる存在がいて

「おばあちゃんが好きなだけ友達と遊ぶためのおもちゃを買ってくれた。」

と西さんはなんだか申し訳ないような、でも優しいおばあちゃんだったと話してくれました。

友達の多かった西さんの家にはよく友達が集まり、当時流行っていたカードゲームをしました。このカードゲームが西さんの今後を大きく変えるものになるとは当時思いもよりませんでした。

小学生だった西さんは近所のおもちゃ屋さんで”デュエル・マスターズ”のカードを集めていました。小銭を握りしめ5枚入り1パックのカードを購入し、開封した時にデザインがかっこいいカードが出てくると友達に自慢してみんなと楽しんでいました。

日本で人気の高いデュエル・マスターズですが皆さんは実際のカードを見たことがありますか?

大まかなルールは何千何万種類池あるカードの中から自分のお気に入りの40枚を選び(通称デッキ)、相手と戦います。カードには、先頭の基本となる”モンスターカード”やモンスターをサポートする”呪文カード”が存在し、それらのカードを駆使しながら相手を守る”シールドカード”を破壊し、最後に相手を攻撃することなどが勝利条件となります。

10人プレイヤーがいれば全員が違う戦法やお気に入りのキャラクターがいます。もし大人が気軽に参加したとしても、奥の深さに1日でそのカードゲームの全てを知ることは不可能でしょう。

地元で負け知らずのカードゲーマーに事件が

当時中学生だった西さんは、デュエル・マスターズに夢中になり、もっと多くの友達と遊びたいと考えます。そこで池田町内にあった”おもちゃの毛利”という現在は取り壊されたビルの2Fにあったおもちゃ屋で大会を開くことにします。”おもちゃの毛利”の店長さんは西さんの話を快く引き受けてくれ、場所の提供と運営をしてくれました。

そこでたびたび大会が開かれるようになり、地元の子供達16人が参加した大会でも負け知らずだった西さんは地元では有名なプレイヤーとして実績を積んでいきました。

しかし、その地元での栄冠も一瞬で崩れ去ります。なぜならば世の中には上には上がいるからです。徳島県西部でもデュエル・マスターズの大会が開かれているらしいとの噂を聞きつけた、隣町の強豪である通称”O兄弟長男”と徳島市内のカードショップで1番強いと言われる通称”ふうせんくん”が大会に参加しました。

これが西さんの1回目の転機でした。

初対戦は、見事なまでのボッコボコに負けます。O兄弟とふうせんくんが1、2位を独占して大会は幕を閉じました。あまりにも歯がたたなかった事が悔しくてたまりませんでした。

「あの2人がいたから、自分はカードを見つめ直し戦いに勝てるようになったと思う。」

それからはカッコよくて強いカードから戦いに勝てるさらに競技性の高いカードを組み合わせるように変わっていきました。

初の遠征へ

中学2年生になった西さんへ声をかけた大人がいました。

「西くん、今の君は”井の中の蛙”だ。もっと大きな大会に出場しないか?」

それは友達のお父さんで、西さんたちを連れて香川県丸亀市まで遠征に連れていってくれました。

当時、丸亀競艇所の施設内でデュエル・マスターズの大会が開かれ、物販もあり参加者が100名と今まで経験したことがないような大きな大会でした。そこで西さんは”おもちゃの毛利”での悔しい負け方から自身を見つめ直していた為、なんと初出場で優勝を勝ち取りました。

友達と遊ぶことができて、デザインが好きで始めたカードゲームでしたが、競技や勝つ事を目標とした中2の冬でした。この大会を機に自信をつけた西さんは、おもちゃの毛利でボッコボコに負けた2人にも互角以上に戦えるようになり、そんなきっかけをくれた事に感謝しているそうです。

無敵のカードゲーマーの敵はライバル、だけではない

しかし西さんにとって長らく敵となるものが現れます。

中3の夏を過ぎ、高校受験の為にカードゲームを封印することになりました。受験が終われば再開すると決め勉学に集中します。見事志望校に合格した西さんはバスケ部に入り友達とも遊ぶ、楽しい高校時代を過ごします。

友達とはバスケや野球、ゲームや漫画も読む、勉強もそこそこ頑張る普通の高校生でした。

「そういえば、怖いものある?」

西さんは唐突に質問を投げかけてきました。西さんはおばけや雷、高いところも苦手ようですが、その中でも高校生の西さんが一番怖かったもの、それは”周囲の目”です。

今でこそe-sportsという言葉が普及し、世間の見る目や認知度も変わっていますが、当時のカードゲームはオタク・子供の遊びというネガティブな印象がとても強かったようです。中学を卒業し受験も終わった西さんはもう一度カードゲームがしたい!大会に出たい!という気持ちがありました。

しかしながら明るく陽気な友達もいたから、もし自分が子供の遊びのカードゲームをしていると知ったらどんな反応をするだろうか。そんな不安がいっぱいになりやめてしまいました。

「どうしても、どうしても、どうしても!!・・・やりたかった。でも周囲の目が怖く大会に出ることが出来なかった。だからカードゲームをやめた。」

「学生時代は部活に遊びに楽しかったので後悔はしていないが、周りからどう思われているのか怖くてやらなかった選択に反省している。」ことを包み隠さず語ってくれました。

この誰もが一度は不安になる”周囲の目”。実は大人になった西さんはこれに打ち勝つことが出来ます。そんなきっかけをくれる存在は、パート2にてご紹介します。

 

西涼太さん

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