ようこそ 三好ジオパーク構想へ

見どころ|ソラとジオ ❷(奥祖谷・剣山周辺)

ジオサイト

三好市の大地の成り立ちを感じられる場所

剣山山頂 御塔石サイト

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西日本で2番目に高い剣山山頂(1955m)から約150m下方にある大劔神社には、御神体である御塔石(おとういし)があります。この石を始めこの周辺には白色〜灰色の石が点在しています。これは石灰岩という石で、約3億年前の暖かく浅い海底にできた礁が石化したものです。

東祖谷の御荷鉾緑色岩サイト

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東祖谷の久保・久保蔭地区には、緑色の石があります。これは、もともと約1億5000万年前に海底で噴火した岩石です。これが、地下深くで圧力を受けて生まれ変わり、この石ができました。この石が風化すると、保水性の高い土壌が作られます。

落合の地すべり地形サイト

Scene II-7

「東祖谷山村落合」として国の重要伝統的建造物群に選定されている集落で比高差約390m広さ32.3haあります。過去の地すべり地の上に築かれている集落で、泥質片岩と呼ばれる岩石からできているのが特徴です。

塔丸西斜面地すべり地形サイト

Scene II-8

塔丸の尾根北西側は、過去に地すべりが起きて、緩やかになった斜面があります。また、地すべりによって緩やかになっている箇所は川面から離れた高いところにあります。塔丸山頂の北西側を作っている石と南東側を作っている石は異なり、北西側は御荷鉾緑色岩という石から作られています。

樫尾の地すべり地形サイト

Scene II-9

樫尾集落も過去に地すべりが起こった場所に集落が形成している箇所です。この地には、地すべり対策事業がなされており、水を抜くための井戸(集水井)などを見ることができます。緩やかな地形と日当たりを活用した農業も展開されています。

❻❼ 菅生・菅生蔭の地すべり地形サイト

Scene II-10

菅生・菅生蔭地区も過去に発生した地すべり跡を活用してできた緩やかな地形の上にできた集落です。菅生蔭付近を流れる祖谷川は曲がっています。これは、地すべりによって移動してきた塊が、川を折れ曲がらせてしまったために作られたものです。

若林の地すべり地形サイト

Scene II-11

若林地区も過去に発生した地すべり跡を活用してできた緩やかな地形の上にできた集落で、この付近を流れる祖谷川は、地すべりによって移動してきた塊によって折れ曲がらせてしまったために湾曲しています。このすぐ西側には、1965年に起きた大西のザレ(崩壊地)があります。

大枝の地すべり地形サイト

Scene II-12

大枝地区も過去に発生した地すべり地の上にできた集落です。この地にある鉾神社には、幹回り11m、高さ50mにもある鉾スギがあり、樹齢は800年程度と考えられています。このことから、この杉が生育する間、この地は地すべりが起きなかったことを示しています。

三嶺の池サイト

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三嶺の山頂付近には池があります。これは、過去に山頂付近で崩落が起きたことによって作られた凹部で、そこに水が溜まってできたものです。

天狗塚の池サイト

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天狗塚の山頂付近には、なだらかな地形が少し広がっており、天狗の池という池があります。これは、過去に山頂付近で崩落が起きたことによって作られた凹部です。降雨時には、水がたまるので、幻の池とも呼ばれています。

エコサイト

三好市の大地と係わりのある生態系が観られる場所

剣山系の亜寒帯植物林サイト

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ロープウェイの出発地点である見ノ越付近ではブナ林が中心ですが、標高1600mを超えると、樹相は一変して、針葉樹林帯の様相となり、標高1700mくらいになると、シコクシラベが出現します。山頂付近は絶えず強風が吹くため、背丈の高い樹木は少なく草原となっています。

ミヤマクマザサおよびコメツツジ群落サイト

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三嶺・天狗塚の両山頂部及び岩場が混じる稜線一帯にこれらの群生が見られます。ミヤマクマザサはイネ科、コメツツジはツツジ科の一種であり、コメツツジは7月上旬ごろに4㎜~6㎜の花を咲かせ、秋には紅葉し、ミヤマクマザサの緑と美しいコントラストが見られます。

下瀬のイヤギボウシ群生サイト

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東祖谷下瀬地区に群生が見られイヤギボウシはユリ科の一種で、6月末頃に紫色の花を咲かします。葉は丸い心臓形で、花が花茎の先に集まって咲くのが特徴です。大正4年に京都大学の小泉源一博士が祖谷で初めて発見し、新品種として命名されましたた。現在は、減少し絶滅に瀕しています。

高ノ瀬のオオヤマレンゲサイト

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高ノ瀬の東祖谷菅生側に見られるオオヤマレンゲはモクレン科の一種で、6月から7月に直径5㎝~10㎝の白色の大きな花を咲かせます。オオヤマレンゲは徳島県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、高ノ瀬は四国有数の自生地です。

祖谷川のアメゴサイト

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アメゴ(アマゴ)は水質と水温に影響を受けて生育する魚です。祖谷川には、アメゴが生育する箇所がいくつかあり、郷土料理のひらら焼の材料としても利用される魚です。

剣山系のツキノワグマサイト

Scene VI-E-12

現在、四国で唯一ツキノワグマが生息しているエリアは剣山系であり、2019年年末時点で推測されている生息数は16~24頭と考えられています。過去には、広い範囲で生息していたツキノワグマも、現在はこの地域でしか生息しておらず、保護活動や調査活動が行われています。

カルチュラルサイト

三好市の大地と係わりのある歴史文化が観られる場所

栗枝度集落のコエグロサイト

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にし阿波の傾斜地集落には秋になると、カヤ(ススキ)を刈り、円錐状に干して乾燥させ、肥料にする光景(コエグロ作り)を見ることができます。このコエグロは、傾斜畑に敷くことで、肥料としてだけでなく、土砂の流出や保温・保湿効果など、多くの役割を果たします。

祖谷のソバ畑サイト(東祖谷久保蔭)

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郷土料理として名高い祖谷ソバは、祖谷の傾斜地畑で栽培されたソバが使われています。このソバは、結晶片岩からなる水はけの良い土壌だからこそ栽培できるものです。ジャガイモが収穫(7月中旬~下旬)された後の8月(お盆頃)にソバの種がまかれ、75日後に収穫することが習わしとして行われています。

落合集落サイト

Scene VI-C-20

落合集落は「東祖谷山村落合」として国の重要伝統的建造物群に選定されており、全国123地区(令和2年12月23日現在)ある国選定重要伝統的建造群保存地区の中で最も急斜面にある山村集落です。過去に起きた地すべりによりできた比較的緩やかな斜面の上に、江戸の中期から明治期にかけて造られた民家や石垣は独特な工夫があり歴史的価値が高いということで選定を受けています。

阿佐家住宅サイト

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中世以来の祖谷の名主の邸宅で、過去の地すべりによって作られた緩やかな場所に設けられています。阿佐家は、山間部の上層農家の典型的な主屋の様相をなしており、前庭、石垣などの屋敷構えを含めて、2000年に県の有形文化財として指定されました。


見どころ(各サイト紹介)

「大地の切れ目が作り出す、山地山脈と吉野川の流れ」を感じられる場所が三好ジオパーク構想です。

三好ジオパーク構想には、”マチ”と呼ばれる平野部と”ソラ”と呼ばれる山間部があります。
マチやソラには様々な歴史文化があり、特徴的な生き物たちがいます。…これらの生い立ちやつながりを紐解いていくと地球(ジオ)とふか〜く結びついていることがわかります。

さぁ、三好ジオパーク構想がどうやってできたかを探りに行こうっ!!